「大暑(たいしょ)」は、暦の上で一年でもっとも暑さが厳しくなるとされる時期を指します。夏の土用や猛暑日が続くこの時期は、私たちの体にも心にも大きな影響を与えます。この記事では、大暑の意味や由来、2025年の大暑の日付、またこの季節を健やかに乗り切るための知恵や風習について、わかりやすく解説していきます。季節の移ろいを感じながら、昔から伝わる暮らしの工夫も一緒に見ていきましょう。
大暑とは、二十四節気のひとつで、毎年7月23日ごろにあたります。「暑さが最も厳しくなる頃」とされる時期であり、文字通り「大いに暑い」時期という意味があります。二十四節気の中では12番目にあたり、「小暑(しょうしょ)」の次に来ます。
古代中国で作られた暦がもとになっており、日本でも季節の目安として古くから使われてきました。現代では、天気予報や暦にも使われており、暦注の一つとして親しまれています。
この時期は、昼間の気温が35度を超える「猛暑日」になることが多く、熱中症のリスクも高まります。また、夏休みやお盆休みなどの行事も近づき、生活リズムも変化しやすい時期でもあります。
2025年の大暑は**7月23日(水)**です。
例年、7月22日または23日頃にあたり、固定された日ではなく、地球の公転に基づいて少しずつずれます。大暑から立秋(8月7日ごろ)までの約2週間が、特に暑さが厳しいとされる期間です。
この期間は「夏の土用」と重なることが多く、「土用の丑の日」や「暑中見舞い」など、夏の風物詩とも関わりがあります。
大暑の頃には、日本列島の多くの地域で本格的な夏の気候となります。具体的には以下のような自然の変化が見られます。
特に都会では、アスファルトの照り返しや夜間の気温の高さによって「ヒートアイランド現象」が起こりやすくなります。地方でも、農作物の管理や体調管理に注意が必要な時期です。
一年で最も暑いこの時期は、熱中症のリスクが高まるため、体調管理が非常に重要です。以下の点に注意して過ごしましょう。
喉が渇く前に水分をとる習慣をつけることが大切です。特に汗をたくさんかく日中は、水だけでなく塩分やミネラルも補えるスポーツドリンクや経口補水液がおすすめです。
エアコンは「冷やしすぎない」ことを意識して、室温は26~28度程度に保ちましょう。夜間の使用や、就寝中の熱中症にも注意が必要です。
暑さで食欲が落ちやすい時期ですが、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。ビタミンB1を含む豚肉や、クエン酸を含む梅干しなどが夏バテ対策に有効です。
大暑と重なることが多い「土用の丑の日」には、ウナギを食べる習慣があります。これは夏の暑さに負けないよう、栄養をつけるための先人の知恵です。2025年の土用の丑の日は【7月24日(木)】です。
立秋前(8月7日ごろ)までに出す「暑中見舞い」は、大暑の時期にぴったりのご挨拶です。親しい人の健康を気遣い、自分の近況を伝える日本ならではの季節の手紙文化です。
昔ながらの知恵を活かした涼のとり方も、現代生活にうまく取り入れることで、心身ともに快適に過ごせます。
風鈴の音や、すだれを使った日除けは視覚・聴覚から涼しさを演出します。窓の外にグリーンカーテン(ゴーヤや朝顔など)を設置するのもおすすめです。
冷やしそうめんや、スイカ、きゅうりなど、体を冷やす食材を使った食事が効果的です。見た目にも涼しげな器や盛り付けを意識すると、食欲もアップします。
昔ながらの「打ち水」は、気化熱によって周囲の温度を下げる効果があります。また、外出や家事は日中を避けて、朝や夕方に集中することで体への負担を軽減できます。
大暑が過ぎると、暦の上では「立秋」が訪れます。とはいえ、実際には暑さが続くため、「残暑」という時期に入ります。この季節の変わり目には、以下の点に注意しましょう。
こまめな休息と、リズムある生活を意識して乗り切りましょう。
大暑は一年でもっとも暑さが厳しくなる時期ですが、その一方で、季節の移ろいを感じられる大切な節目でもあります。自然のリズムを感じながら、伝統的な行事や暮らしの工夫を活かして、心地よく過ごすことができます。
2025年の大暑は7月23日。土用の丑の日や暑中見舞いなど、日本の夏の風物詩を楽しみながら、健康と快適さを意識して過ごしていきましょう。