ウィンタースポーツの中でも、近年特に人気を集めているのが「スロープスタイル」です。
ジャンプ台やレール、ボックスなどが設置されたコースを滑り降りながら、選手が多彩なトリック(技)を繰り出すダイナミックな競技です。
オリンピック中継を見ていても、「何がすごいのか分からない」「どうやって点数が決まるの?」と感じたことはないでしょうか。
この記事では、五輪競技スロープスタイルのルールや採点方法を、初心者にも分かりやすく解説します。競技の基本から、得点の内訳、勝敗を分けるポイント、観戦をより楽しむための視点まで、詳しく紹介します。
スロープスタイルは、人工的に設計された特設コースを滑走しながら、設置されたジャンプ台やレール、ボックスなどの障害物を使ってトリックを行う競技です。
冬季オリンピックでは、
・スノーボード スロープスタイル
・フリースタイルスキー スロープスタイル
の2種目が行われています。
正式にオリンピック種目となったのは、ソチオリンピックからです。それ以降、平昌オリンピックや北京オリンピックでも実施され、若い世代を中心に大きな注目を集めています。
スロープスタイルの魅力は、単なる高さや速さではなく、「創造性」と「完成度」が求められる点にあります。同じコースでも、選手によって技の選択や構成が大きく異なります。
スロープスタイルのコースは大きく分けて3つのセクションで構成されます。
金属製のレールやボックスを滑る区間です。板やスキーを横にして乗る、回転しながら乗るなど、高度なバランス技術が求められます。
大きなキッカー(ジャンプ台)から飛び出し、空中で回転やグラブ(板をつかむ動作)などを行います。
すべての障害物をクリアし、転倒せずに滑りきることが重要です。
競技は通常、予選と決勝に分かれています。
各選手は複数回滑走し、その中で最も高得点の1本が採用される方式が一般的です。
スロープスタイルは「ジャッジ制」です。
複数の審判が演技を評価し、総合得点を決定します。
一般的には100点満点方式で採点されます。
評価される主な要素は以下の通りです。
回転数、軸の複雑さ、逆方向での滑走(スイッチ)などが評価されます。
着地の安定性、姿勢の美しさ、ブレの少なさなどが見られます。
同じ技を繰り返さず、構成に多様性があるかどうか。
スピードが落ちず、スムーズにコースをつないでいるか。
総合的な完成度やインパクト。
これらを総合的に評価するため、単純な加点方式ではなく「全体評価方式」が採用されています。
スロープスタイルでは、ミスが大きく影響します。
・ジャンプで手をつく
・着地で大きくバランスを崩す
・転倒する
・レールから落ちる
こうしたミスは減点対象になります。
特に転倒は大幅な減点につながります。ただし、転倒しても最後まで滑りきれば点数はつきます。
スロープスタイルでは、さまざまなトリックが披露されます。
540(1回転半)、1080(3回転)、1440(4回転)など、回転数が増えるほど難易度が上がります。
軸をずらして斜めに回転する高度な技です。
空中で板をつかむ技。安定感やスタイルが評価されます。
通常とは逆向きに滑る技術。難易度が高く評価されます。
近年は回転数の高度化が進み、男子では1800度以上の回転も珍しくありません。
大会では通常、予選で上位選手が決勝に進出します。
予選では2~3本滑走し、ベストスコアが採用されます。
決勝ではさらに高難度の技を狙う選手が多く、リスクを取った挑戦が見られます。
オリンピックでは、決勝の最終滑走で逆転が起きることも多く、最後まで目が離せません。
スロープスタイルでは、単に回転数が多ければ勝てるわけではありません。
・高難度でも着地が不安定なら評価は下がる
・安定した構成でも難易度が低いと点が伸びない
・同じ技を繰り返すと評価が下がる
つまり、「難しさ」と「美しさ」のバランスが重要です。
実際の五輪でも、完璧に滑りきった選手が、より高難度の選手を逆転するケースがあります。
スロープスタイル観戦で注目すべきポイントは次の通りです。
・ジャンプの高さ
・回転数
・着地の安定
・グラブの美しさ
・技のバリエーション
特に着地の瞬間に注目すると、評価の差が分かりやすくなります。
また、同じ技でも「スタイル」と呼ばれる美しさや余裕が重要視される点も、この競技の魅力です。
スロープスタイルは、スピード、技術、創造性が融合した五輪競技です。
採点は難易度だけでなく、完成度や流れ、全体印象が重視されます。
高回転の大技と、安定した着地のバランスが勝敗を分けます。
ルールと採点の仕組みを理解すれば、演技のすごさがより明確に見えてきます。
オリンピックや世界大会を見る際には、ぜひ今回紹介したポイントを意識して観戦してみてください。スロープスタイルの奥深さと魅力を、より一層楽しめるはずです。