厄年は人生の節目ともいわれ、特に「厄入り」の時期には身近な人に挨拶をする機会が増えます。地域や家庭によって風習は異なりますが、厄年を迎える本人や家族がしっかりと挨拶をしておくと、相手に安心感や信頼を与えることができます。とはいえ「どんな言葉を選べばよいか分からない」「失礼のない言い方を知りたい」と悩む方も多いでしょう。
本記事では、厄入りの基本的な意味やマナーを解説しながら、親族・友人・職場などシーン別に使える挨拶例文を紹介します。日常的に使いやすい言葉からフォーマルな場面での挨拶まで幅広く取り上げますので、ぜひ参考にしてください。
厄入りとは、数え年で厄年に入る最初の年を迎えることを指します。特に男性は25歳・42歳・61歳、女性は19歳・33歳・37歳が大厄とされ、人生の大きな節目といわれます。厄年の考え方は古くから伝わる風習で、体調の変化や家庭・仕事の転機が重なる年齢として注意を促す意味があります。
地域によっては厄払いの神事を行う際に親族や友人を招くこともあり、その前後で「厄入りのご挨拶」をするのが一般的です。形式張ったものではありませんが、相手に感謝や健康を願う気持ちを伝えることが大切です。
厄入りの挨拶をする際には、以下の3つのポイントを意識するとよいでしょう。
厄入りの挨拶は、まず親族への伝え方から考えるとよいでしょう。身内だからこそ改まった言葉が必要な場合もあります。
例文1:改まった席での挨拶
「本日より厄年を迎えることとなりました。これからの一年、無事に過ごせるよう努めてまいります。皆さまには何かとお世話になるかと存じますが、今後とも変わらぬご指導をお願い申し上げます。」
例文2:食事会などでのカジュアルな挨拶
「いよいよ厄年に入りました。昔からの風習に従い、今日は皆さんに集まっていただきました。健康に気をつけながら元気に過ごしたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。」
友人への挨拶は、堅苦しくする必要はありません。自然体で伝えることが大切です。
例文3:同年代の友人へ
「今年から厄年に入るんだって。特別に何かをするわけじゃないけど、これを機に健康にも気を配ろうと思ってるよ。これからも一緒に楽しく過ごせたら嬉しいな。」
例文4:集まりや飲み会の場で
「今年は厄入りの年なんだけど、こうして元気にみんなと集まれることが何よりありがたいと思ってます。これからもよろしく!」
職場では、上司や同僚に対して礼儀を重んじた挨拶が必要です。
例文5:朝礼や会議での一言
「私事ではございますが、本年より厄年に入ります。健康に留意し、これまで以上に仕事に精進してまいりますので、変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。」
例文6:同僚との会話で
「今年は厄年に入ったみたいで、体調にも気をつけないとなと思っています。お互いに健康第一で頑張りましょう。」
場合によっては、手紙やはがきで挨拶を送ることもあります。
例文7:親戚への挨拶状
「拝啓 寒さ厳しき折、皆さまにはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。私こと、本年より厄年を迎えることとなりました。古くよりの習わしに従い、厄入りのご挨拶を申し上げます。今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。」
例文8:恩師や目上の方へ
「拝啓 時下ますますご清栄のことと存じます。このたび数え年にて厄年を迎えることとなりました。無事に過ごせますよう努めてまいりますので、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。」
厄入りの挨拶では、以下のような表現は避けたほうが無難です。
あくまで前向きで、周囲への感謝と健康を願う気持ちを伝えるのが基本です。
厄入りの挨拶は、ただの形式ではなく、人との絆を確認する場でもあります。親族には感謝を、友人には信頼を、職場には誠意を示すことで、人間関係をより良いものにするきっかけとなります。
厄年は「災厄を避ける」という意味もありますが、同時に「これまでの自分を見直す」節目の年でもあります。挨拶を通して自分自身を律し、周囲と共に健やかに過ごしていきましょう。
厄入りの挨拶は、決して難しいものではありません。大切なのは、謙虚な気持ちと感謝の言葉を伝えることです。本記事では、親族・友人・職場・挨拶状などさまざまなシーンで使える例文を紹介しました。
少し工夫を加えれば、相手に好印象を与えることができます。これから厄年を迎える方は、ぜひ紹介した例文を参考に、自分らしい言葉で周囲に挨拶をしてみてください。