近年、葬儀のスタイルとして「家族葬」を選ぶ方が増えています。家族やごく親しい方だけで静かに見送りたいという思いから、一般的な葬儀とは異なる対応や配慮が必要になります。その際、避けて通れないのが「訃報の知らせ方」です。
通常の訃報であれば広く関係者に伝えますが、家族葬の場合は伝える範囲を限定することが多いため、言葉遣いや文面にも注意が必要です。本記事では、家族葬にふさわしい訃報の伝え方や、実際に使える例文を多数ご紹介します。ご自身やご家族がいざという時に落ち着いて対応できるよう、ぜひ参考にしてください。
「訃報(ふほう)」とは、誰かが亡くなったことを知らせること、またはその知らせの文面を指します。
社会人として、また親戚・知人として、訃報を受け取った経験がある方は多いでしょう。
訃報には大きく2つの役割があります。
ただし、家族葬の場合は「葬儀にお越しください」と案内するのではなく、「葬儀は家族葬で執り行いました」と事後報告にする場合も少なくありません。そのため、訃報の内容や書き方は、葬儀の形式によって大きく変わります。
家族葬の訃報には、以下の特徴があります。
従来の一般葬では「通夜・告別式の日程」を詳しく伝えるのが一般的でした。しかし、家族葬では「参列はご遠慮ください」という一文を加えるのがポイントです。
訃報の伝え方にはいくつかの方法があります。
親族や親しい友人には、電話で直接伝えるのが基本です。声で伝えることで気持ちがより伝わりやすく、誤解も防げます。
広く案内する場合や、事後報告として知らせる場合には、訃報のハガキが用いられます。特に家族葬後に出すケースが増えています。
最近ではメールやSNSを活用する人も増えています。ただし、ビジネスや目上の方に対しては避け、あくまで親しい間柄に限定するのが望ましいでしょう。
まずは、葬儀前に家族葬であることを伝える場合の例文です。
〇〇(故人の氏名)が〇月〇日、〇歳にて永眠いたしました。
つきましては、〇月〇日に家族のみで葬儀を執り行います。
誠に勝手ながら、ご弔問・ご供花・ご香典は固く辞退申し上げます。
故人が安らかに眠れるよう、心よりお祈りいただければ幸いです。
弊社〇〇(所属・役職)の父、〇〇儀 〇月〇日 永眠いたしました。
葬儀は家族葬にて執り行いますため、ご参列はご遠慮いただけますようお願い申し上げます。
ご厚誼を賜りましたこと、故人に代わりまして厚く御礼申し上げます。
葬儀を終えてから関係者に報告する際の文例です。
去る〇月〇日、〇〇(故人の名前)が永眠いたしました。
葬儀はすでに家族のみで執り行いましたことをご報告申し上げます。
生前に賜りましたご厚情に心より感謝いたします。
なお、ご香典・ご供花などは辞退申し上げますので、どうぞご無用に願います。
弊社〇〇部の〇〇(社員名)の父、〇〇儀 〇月〇日 永眠いたしました。
葬儀は家族葬にて相済ませましたので、ここに謹んでご報告申し上げます。
ご厚志を賜りました皆様には、心より御礼申し上げます。
家族葬の訃報を書く際には、以下の言葉遣いに注意しましょう。
家族葬では香典や供花を辞退するケースが多く見られます。その場合の表現例をご紹介します。
→ いいえ。故人や遺族の希望により、知らせる範囲は限定して構いません。
→ 親しい間柄なら可。ただし、失礼と取られる可能性があるため注意が必要です。
→ 家族葬の場合は一般的です。むしろ参列できない方に配慮する形になります。
家族葬における訃報は、伝える範囲・内容・表現に細やかな配慮が求められます。
家族葬は故人と家族の意向を大切にする葬儀です。そのため訃報の伝え方も従来の形式にとらわれず、柔軟でありながら礼儀を失わないことが大切です。
万一のときに慌てず対応できるよう、本記事の文例を参考にご自身に合った訃報の形を準備しておきましょう。