自動車は毎日使うものだからこそ、安全に走行するためには日常点検が欠かせません。
しかし「点検って整備工場でやってもらうものでは?」と思う方も多いかもしれません。実は日常点検は、ドライバー自身が簡単にできる項目が多く、自分で確認することで思わぬトラブルを未然に防ぐことができます。
この記事では、自動車を自分で日常点検する方法をわかりやすく解説します。初心者でもできる具体的なチェックポイントを紹介しますので、日頃からの安全管理にぜひ役立ててください。
道路運送車両法では、車を使用する人は「日常点検整備」を行う義務があると定められています。つまり、車検や法定点検とは別に、普段から自分で点検をすることが求められているのです。
日常点検は大がかりな整備ではなく、ライトが点くか、タイヤに異常がないかなど簡単なチェックが中心です。数分でできるものがほとんどなので、ドライバーにとっては欠かせない習慣と言えるでしょう。
日常点検を行うおすすめのタイミングは以下のとおりです。
毎日必ず行う必要はありませんが、走行距離や使用環境に応じてこまめに行うと安心です。
タイヤは車と地面をつなぐ唯一の部分であり、事故を防ぐために最も重要な点検項目です。
タイヤの空気圧はガソリンスタンドにあるエアゲージで測定できます。
指定の空気圧は運転席ドアの内側や取扱説明書に記載されています。基準値より低いと燃費悪化やバーストの原因になり、高すぎてもグリップ力が低下します。
スリップサインと呼ばれるマークがタイヤの溝にあります。溝が1.6mm未満になると使用してはいけません。溝が浅くなると雨の日の制動距離が伸び、スリップのリスクが高まります。
タイヤ側面にひび割れや膨らみがないか確認しましょう。縁石に擦った跡や釘の刺さりなども要注意です。
ボンネットを開けると、いくつかの重要な液体や部品を確認できます。
オイルゲージを抜いて拭き取り、再度差し込んで油量を確認します。規定範囲内にあるか、汚れがひどくないかを確認しましょう。黒ずみが強ければ交換時期です。
リザーバータンクの「FULL」と「LOW」の目盛りの間にあるかを確認します。減っていれば補充が必要ですが、頻繁に減る場合は漏れの可能性があります。
液面が規定範囲内か、端子に白い粉(サビ)がついていないかをチェックします。エンジンのかかりが悪いと感じたら、早めの点検や交換が必要です。
ライトが切れていると整備不良となり、事故の危険もあります。
一人では確認しにくいブレーキランプは、壁に映して確認するか家族に協力してもらうと良いでしょう。
雨の日の視界を確保するため、ワイパーとウォッシャー液も要チェックです。
特に梅雨や冬は、ワイパーの劣化がトラブルにつながりやすいので注意が必要です。
安全に直結する重要な項目です。
少しでも違和感がある場合は早急に整備工場で点検してもらいましょう。
車体周りもぐるっと見ておきましょう。
特にオイル漏れや燃料漏れは大きな事故につながるため、早期発見が大切です。
「毎回やるのは面倒…」と感じる方もいるかもしれません。そんなときは以下の工夫がおすすめです。
無理のない範囲で続けることが、安全運転への第一歩です。
日常点検はあくまで「自分で確認できる範囲」で行うものです。もし異常を発見した場合や判断に迷う場合は、整備工場やディーラーに相談しましょう。特にブレーキやエンジンの不調は、自分で解決しようとせずプロに任せるのが鉄則です。
自動車の日常点検は、法律で定められた運転者の義務であり、安心して走行するための基本です。
タイヤ、オイル、ライト、ワイパー、ブレーキなど、ほんの数分で確認できる項目ばかりです。習慣にすることで大きなトラブルを防ぎ、安心してドライブを楽しむことができます。
ぜひこの記事を参考に、次のドライブ前に自分の車を点検してみてください。