日常生活や仕事、勉強において「集中力が続かない」「複数のことを同時に処理できない」と感じたことはありませんか？
その背景には「ワーキングメモリ（作業記憶）」の力が関係しているかもしれません。
ワーキングメモリとは、情報を一時的に記憶しながら同時に処理する脳の機能のこと。
この力が強いほど、効率よく思考し、行動に移すことができると言われています。
この記事では、ワーキングメモリとは何かをわかりやすく解説し、その機能を高めるための具体的な方法を7つご紹介します。
誰でもできる簡単なトレーニングも取り入れていますので、ぜひ実生活に役立ててください。
ワーキングメモリとは、脳が「今まさに使っている情報」を一時的に保持しながら処理する能力のことです。
例えば、電話で相手の口頭のメモを聞いてメモを取る、暗算する、会議中に意見を整理して発言する、などの場面で活躍しています。
ワーキングメモリの力が高い人は、情報処理がスムーズで、段取り力・集中力・論理的思考力にも優れています。
逆にこの機能が弱いと、すぐに情報を忘れてしまったり、注意が散漫になったりしやすくなります。
ワーキングメモリは、IQや学業成績にも密接に関係していると言われており、向上させることで生活全般のパフォーマンスも上がります。
マインドフルネス瞑想は、注意を「今ここ」に集中させるトレーニングとして注目されています。
数分間、呼吸に意識を集中するだけで、注意力や集中力が向上し、ワーキングメモリの容量が増えたという研究結果もあります。
やり方は簡単で、1日5分からでも効果が出始めます。
静かな場所で目を閉じ、鼻から吸って、口からゆっくりと吐く。
その呼吸の流れに意識を向け、雑念が湧いてきたら再び呼吸に戻すというだけです。
人間のワーキングメモリは一度に記憶できる量が限られています。
そこで有効なのが「チャンク化（chunking）」という手法です。
例えば、「9417214」という数字を「94-17-214」と意味のあるまとまりにすると、記憶しやすくなります。
電話番号や英単語なども、リズムや関連性でグループ化することで、脳の負担を減らせます。
これは暗記力だけでなく、思考のスピードもアップさせる手法です。
スマートフォンやパソコンでできる「脳トレ」ゲームは、ワーキングメモリ向上に役立つとされています。
特におすすめなのは、以下のようなタイプです。
これらを毎日10分程度続けることで、記憶力だけでなく集中力・判断力も同時に高めることができます。
ワーキングメモリは、視覚・聴覚・運動など複数の感覚を使って鍛えると効果的です。
その中でも「音読」と「書くこと」は、非常に有効な方法です。
例えば、覚えたいことを声に出しながら書き出すと、聴覚・視覚・運動の3つを使うことになります。
これにより、脳に刺激が加わり、記憶の定着が強まるのです。
勉強だけでなく、日常のToDo管理などにも取り入れてみると、思い出しやすくなります。
脳の機能を最大限に発揮するためには、身体のコンディションを整えることが不可欠です。
とくに重要なのが「十分な睡眠」と「定期的な運動」です。
ワーキングメモリは、寝不足や疲労によって顕著に低下します。
また、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を日常に取り入れることで、脳の血流が良くなり、記憶力が高まるという研究もあります。
私たちはつい、メールを見ながら資料を作ったり、スマホを見ながら会話したりしがちです。
しかし、マルチタスクはワーキングメモリに過剰な負荷をかけ、パフォーマンスを低下させます。
一度に1つのことに集中する「シングルタスク」の意識を持つことで、思考が整理され、情報の処理効率が高まります。
集中して作業したい時には、通知をオフにする、静かな場所を選ぶなど、環境づくりも大切です。
ワーキングメモリは「使いすぎる」とパンクしてしまいます。
そこで大切なのが、頭の中の情報を「外に出す」こと。
日記を書いたり、メモに書き出したりすることで、思考を整理し、脳の空き容量を増やすことができます。
特に寝る前にその日の気づきや反省点を書く習慣をつけると、翌日の集中力も高まります。
デジタルメモでも紙でも、自分に合った方法でOKです。
ワーキングメモリは、IQや学力、仕事のパフォーマンスにも影響する重要な脳機能です。
しかし、「トレーニング次第で向上する」こともわかっています。
今回ご紹介した7つの方法は、すぐに始められるシンプルなものばかり。
一度に全部をやる必要はありません。まずは気になった方法から1つずつ試してみましょう。
習慣化することで、自然と記憶力や集中力も高まり、毎日の行動の質が変わってくるはずです。
ワーキングメモリを鍛えて、よりクリアな思考と効率的な毎日を手に入れてみませんか？