大切な方が旅立たれてから、改めて思い出を共有する場として「偲ぶ会」を開く機会が増えています。葬儀や法要よりも自由度が高く、故人にまつわる思い出を和やかに語り合えるのが偲ぶ会の魅力です。しかし、参加者を温かく迎え、スムーズに進行するためには、それなりの準備が必要。特に司会進行を任される方にとっては「どのように進めればよいのか」「どんな言葉を使えばいいのか」といった不安が尽きないかもしれません。
そこで本記事では、偲ぶ会の司会進行を円滑に進めるための基本的な流れや、実際に使える例文、そして成功のためのポイントを分かりやすく解説します。偲ぶ会の温かい雰囲気を大切にしながら、参加者と故人を想う気持ちをしっかりと伝えられる司会進行のヒントをぜひ参考にしてください。
「偲ぶ会」とは、故人を偲び、その思い出や人柄を分かち合うために開かれる集まりです。葬儀や法要などの厳粛な場とは異なり、比較的自由な形式で行われることが多いのが特徴です。具体的には、
格式ばった進行よりも、和やかさや心のこもった雰囲気が大切にされるため、司会者にも柔らかく温かなコミュニケーションが求められます。参加者同士がリラックスして会話しやすい雰囲気を作ることが、偲ぶ会成功のカギとなるでしょう。
偲ぶ会の司会進行においては、一般的な式典やセミナーなどの“かっちりとした進行”と違い、参加者が故人を偲ぶ気持ちを大切にしながら、スムーズにプログラムを進める柔軟性が求められます。具体的には以下のような役割があります。
偲ぶ会の基本的な流れは、大きく以下のステップに分けられます。ただし、会の規模や参列者、目的によって多少前後したり省略したりする場合もあります。
ここでは、偲ぶ会でよく使われる例文を紹介します。状況や故人との関係に合わせて言い回しをアレンジし、心のこもった言葉で伝えることが大切です。
「皆さま、本日はお忙しい中、◯◯様を偲ぶ会にご参列いただき、誠にありがとうございます。私は本日、司会進行を務めさせていただきます△△と申します。
本日は故人との思い出を皆さまと分かち合いながら、和やかにお過ごしいただければと思います。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。」
「それではここで、故人と特に親交の深かった□□様より、思い出のお話を頂戴したいと思います。□□様、よろしくお願いいたします。
(スピーチ後)□□様、温かいお言葉をありがとうございました。改めて故人が大切にしていたことや、お人柄が思い起こされますね。
では続きまして、遺族を代表して☆☆様より一言いただきたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「これよりしばしの間、皆さま同士でご自由にお話しをなさっていただきながら、お食事やお飲み物をお楽しみください。故人との思い出話や、これまでの交流のエピソードなどがありましたら、ぜひ気軽に分かち合っていただければと思います。
お食事やお飲み物の追加が必要な場合は、どうぞ遠慮なくスタッフにお申し付けください。皆さまが快適にお過ごしいただけるよう、可能な限りお手伝いさせていただきます。」
「それでは、そろそろお時間となりましたので、締めのお言葉を申し上げます。
本日は故人◯◯様を偲ぶ会にご参列いただき、誠にありがとうございました。故人が生前に大切にされていた繋がりが、今日このように温かな形となって結実したことを、改めて感謝申し上げます。
これからも、故人との思い出を心に刻みながら、皆さま同士のご縁を大切にしていただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。」
「以上をもちまして、本日の偲ぶ会をお開きとさせていただきます。皆さま、お帰りの際はお足元にお気をつけてお進みください。また、ご遺族や発起人の方々にお声がけいただけるようでしたら、出口付近にいらっしゃいますので、ひと言ご挨拶いただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。」
偲ぶ会をより温かな場にするためには、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。
偲ぶ会は、故人を偲びながら、参列者同士が思い出を分かち合い、これからの繋がりを深める大切な機会です。故人の人柄や生前のエピソードを共有することで悲しみを分かち合い、同時に「楽しかった思い出」を笑顔で語れる和やかな場をつくることが、司会進行の役割と言えます。
今回ご紹介した例文はあくまで一例です。故人との関係性や参加者の方々の思いを大切にしつつ、柔軟にアレンジしてください。大切なのは、みんなで故人を想う気持ちを共有し、故人の生きた証を改めて心に刻むことです。暖かな空気感とスムーズな進行で、偲ぶ会がより特別で思い出深い時間となるよう、ぜひ司会者としての役割を全うしてください。
本記事の内容が、皆さまの偲ぶ会の準備や司会進行に少しでもお役に立てれば幸いです。温かく、そして心に残る偲ぶ会となるよう、心よりお祈り申し上げます。