おうちごはんをちょっと贅沢にしたいときにぴったりのメニューが「カルボナーラ」です。
でも、いざ作ってみると「卵が固まってボソボソになる」「クリームを使わずに本格的に仕上げたい」など、意外と奥が深い料理でもあります。
この記事では、イタリアの伝統的なレシピに沿って、本格的でなめらかなカルボナーラを家庭で再現するための作り方を丁寧に解説します。
カルボナーラは、イタリア・ローマ発祥のパスタ料理で、元々は炭鉱労働者の食事だったとも言われています。
名前の由来は「炭焼き職人(カルボナイオ)」にちなんでおり、粗挽きの黒胡椒が炭のように見えることからとも言われています。
伝統的なレシピでは、生クリームは使用せず、卵(全卵または卵黄)、ペコリーノ・ロマーノ(羊のチーズ)、パンチェッタ(豚バラの塩漬け)、黒胡椒が基本の材料です。
日本では生クリームを加えたバージョンも人気ですが、本場の味を楽しむなら、シンプルな素材で勝負してみましょう。
※チーズはすりおろしておきましょう。
※生クリームは使いませんが、好みに応じて加えることも可能です(大さじ1〜2程度)。
ボウルに卵黄を3つ割り入れ、すりおろしたチーズ(パルミジャーノまたはペコリーノ)を加えて、よく混ぜます。
黒胡椒をしっかりと振り入れ、なめらかになるまで混ぜておきます。
これが、後ほどパスタと絡める「ソース」になります。
ポイントは、チーズをケチらずたっぷり使うこと。
また、卵黄だけを使うことで、より濃厚でクリーミーな味わいになります。
厚めにカットしたパンチェッタまたはベーコンをオリーブオイルで炒めます。
中火でじっくり炒めると脂が出てきて、香ばしい香りが広がります。
カリッと焼き色がついたら火を止め、フライパンはそのまま余熱で保温しておきます。
脂は旨味のもとなので、捨てずにそのまま使います。
鍋にたっぷりのお湯を沸かし、1%の塩(例:水1Lに対して塩10g)を入れてパスタを茹でます。
表示時間より1分ほど早めに上げることで、ソースと合わせるとちょうどよい食感になります。
ポイントは、茹で汁を少しとっておくこと(50mlほど)。
これが乳化の鍵になります。
茹で上がったパスタを、ベーコンを炒めたフライパンに移します。
火を止めた状態で、卵液を一気に加え、素早くかき混ぜます。
ここで熱が入りすぎると、卵がスクランブルエッグ状になってしまうので注意!
もし固まりそうになったら、茹で汁を少しずつ加えて温度を調整しながら混ぜます。
パスタ全体にとろみのあるソースが絡めばOKです。
お皿にパスタを盛り、仕上げに黒胡椒と追いチーズをかけて完成。
好みによって、パセリや温泉卵をトッピングしても美味しいですが、基本はシンプルな仕上がりが本場流。
できたてが一番おいしいので、すぐに召し上がれ。
卵が一瞬で固まってしまうため、火を止めてから加えましょう。
チーズの量がソースのコクに直結します。味の濃さは、チーズの塩分で調整するのがベスト。
乳化させてなめらかに仕上げるためには、茹で汁の使い方が重要です。少しずつ加えながら調整しましょう。
日本でよく見かける「クリーム入りカルボナーラ」は、なめらかでまろやかな味わいが特徴ですが、
本場のカルボナーラは卵とチーズのコクだけで勝負します。
生クリームを加えると失敗はしにくくなりますが、本来の濃厚さや風味は卵とチーズで十分。
一度本格派を試してみると、シンプルなのに驚くほど深い味わいにハマるかもしれません。
カルボナーラは、一見シンプルですが、温度管理やタイミングにコツがいる奥深い料理です。
しかし、基本のポイントを押さえれば、家庭でもレストラン級の味が再現可能です。
「今日はちょっと特別な食事にしたい」
そんなときにぴったりのカルボナーラ、ぜひ一度チャレンジしてみてください。
きっと、家族や友人にも喜ばれる一皿になるはずです。