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厚生年金はいくらもらえる?計算方法と具体例でわかりやすく解説

「将来、自分はいくら年金をもらえるのか?」
これは多くの人が気になるテーマです。特に会社員や公務員の方が加入している厚生年金は、老後の生活を支える大きな柱になります。しかし、その仕組みや計算方法は複雑で、なんとなくのイメージしか持っていない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、厚生年金の基本的な仕組みから計算の流れ、実際のシミュレーション例までを丁寧に解説します。初めて年金について学ぶ方でも理解できるよう、やさしい言葉と具体的な数値を交えてご紹介します。


厚生年金とは?まずは基本を理解しよう

厚生年金は、日本の公的年金制度の一部です。自営業者やフリーランスが加入する国民年金と異なり、会社員や公務員が加入します。厚生年金は、国民年金(基礎年金)の上乗せ部分として位置づけられています。

つまり、厚生年金に加入している人は 「国民年金+厚生年金」 の2階建てで年金を受け取ることになります。

大きな特徴は以下の通りです。

  • 給与に応じて保険料が決まる
  • 事業主と本人が折半して保険料を負担
  • 将来の年金額も、働いていたときの給与水準によって変わる

厚生年金の計算に使われる要素

厚生年金の計算式は複雑に見えますが、大きく分けて「報酬比例部分」と「定額部分(基礎年金)」で構成されています。

厚生年金額を計算するために必要な要素は以下の通りです。

  1. 平均標準報酬額
    → 働いていた期間の給与やボーナスをもとにした平均値。
  2. 加入月数
    → 厚生年金に加入していた期間(月単位)。
  3. 給付乗率(0.005481など)
    → 報酬比例部分を算出するために使われる数値。
  4. 国民年金部分(老齢基礎年金)
    → 20歳~60歳までの480か月満額加入で約80万円(令和6年度:年額約795,000円)が支給。

厚生年金の基本計算式

厚生年金の年金額は、以下のように計算されます。

老齢厚生年金(年額) = 報酬比例部分 + 老齢基礎年金

そして、報酬比例部分は次のように計算します。

報酬比例部分 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数

(平成15年3月までと、それ以降で計算方法が分かれますが、ここでは簡略化して「現行の式」で解説します)


計算例①:平均年収300万円・40年間勤務の場合

例として、以下の条件で計算してみましょう。

  • 平均標準報酬額:25万円(年収300万円程度)
  • 厚生年金加入期間:40年間(480か月)
  • 基礎年金は満額受給と仮定
報酬比例部分 = 25万円 × 5.481/1000 × 480か月
      = 約657,000円(年額)

これに老齢基礎年金(約795,000円)を加えると、

老齢厚生年金(年額) = 657,000円 + 795,000円
          = 約1,452,000円

つまり 月額にすると約12万円 ほどの年金額になります。


計算例②:平均年収500万円・35年間勤務の場合

次に少し条件を変えてみます。

  • 平均標準報酬額:40万円(年収500万円程度)
  • 厚生年金加入期間:35年間(420か月)
  • 基礎年金は満額受給と仮定
報酬比例部分 = 40万円 × 5.481/1000 × 420か月
      = 約922,000円(年額)

これに基礎年金(約795,000円)を加えると、

老齢厚生年金(年額) = 922,000円 + 795,000円
          = 約1,717,000円

月額にすると 約14万3千円 となります。


厚生年金シミュレーションでできること

自分の年金額を正確に知るには、ねんきん定期便や日本年金機構の「ねんきんネット」を利用するのが便利です。

  • ねんきん定期便:毎年誕生月に届き、これまでの加入記録と将来の見込み額が記載されている
  • ねんきんネット:インターネットで、自分の年金記録や将来のシミュレーションが可能

厚生年金の計算で注意すべきポイント

厚生年金を計算するときには、以下の点に注意が必要です。

  • 基礎年金は加入期間に応じて減額される(満額は480か月)
  • 厚生年金の計算は「標準報酬月額」で行われるため、実際の給与額と完全に一致しない
  • 短時間労働の人も条件を満たせば加入対象になる
  • 将来の年金額は法律改正や物価スライドにより変動する

厚生年金を増やす方法

老後の年金額を少しでも増やしたい場合、以下の工夫が考えられます。

  • 長く働く:加入月数が増えると、その分年金額も上がる
  • 高い給与を得る:標準報酬月額が上がると年金額も増える
  • 厚生年金に加入できる働き方を選ぶ:パートやアルバイトでも条件を満たせば加入可能
  • 任意加入制度を利用する:60歳以降も任意で国民年金に加入し、基礎年金を増やせる場合がある

まとめ

厚生年金の計算は難しそうに見えますが、基本は「報酬比例部分+基礎年金」で決まります。
自分の給与水準と加入年数をもとに概算するだけでも、老後の生活設計に役立ちます。

今回ご紹介したように、平均年収300万円で40年間働いた場合は月額12万円前後、500万円で35年間なら月額14万円前後が目安です。

正確な金額を知りたい場合は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を確認することをおすすめします。
老後の生活を安心して迎えるために、今から自分の年金額を把握して準備しておきましょう。

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