「将来、自分はいくら年金をもらえるのか?」
これは多くの人が気になるテーマです。特に会社員や公務員の方が加入している厚生年金は、老後の生活を支える大きな柱になります。しかし、その仕組みや計算方法は複雑で、なんとなくのイメージしか持っていない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、厚生年金の基本的な仕組みから計算の流れ、実際のシミュレーション例までを丁寧に解説します。初めて年金について学ぶ方でも理解できるよう、やさしい言葉と具体的な数値を交えてご紹介します。
厚生年金は、日本の公的年金制度の一部です。自営業者やフリーランスが加入する国民年金と異なり、会社員や公務員が加入します。厚生年金は、国民年金(基礎年金)の上乗せ部分として位置づけられています。
つまり、厚生年金に加入している人は 「国民年金+厚生年金」 の2階建てで年金を受け取ることになります。
大きな特徴は以下の通りです。
厚生年金の計算式は複雑に見えますが、大きく分けて「報酬比例部分」と「定額部分(基礎年金)」で構成されています。
厚生年金額を計算するために必要な要素は以下の通りです。
厚生年金の年金額は、以下のように計算されます。
老齢厚生年金(年額) = 報酬比例部分 + 老齢基礎年金
そして、報酬比例部分は次のように計算します。
報酬比例部分 = 平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数
(平成15年3月までと、それ以降で計算方法が分かれますが、ここでは簡略化して「現行の式」で解説します)
例として、以下の条件で計算してみましょう。
報酬比例部分 = 25万円 × 5.481/1000 × 480か月
= 約657,000円(年額)
これに老齢基礎年金(約795,000円)を加えると、
老齢厚生年金(年額) = 657,000円 + 795,000円
= 約1,452,000円
つまり 月額にすると約12万円 ほどの年金額になります。
次に少し条件を変えてみます。
報酬比例部分 = 40万円 × 5.481/1000 × 420か月
= 約922,000円(年額)
これに基礎年金(約795,000円)を加えると、
老齢厚生年金(年額) = 922,000円 + 795,000円
= 約1,717,000円
月額にすると 約14万3千円 となります。
自分の年金額を正確に知るには、ねんきん定期便や日本年金機構の「ねんきんネット」を利用するのが便利です。
厚生年金を計算するときには、以下の点に注意が必要です。
老後の年金額を少しでも増やしたい場合、以下の工夫が考えられます。
厚生年金の計算は難しそうに見えますが、基本は「報酬比例部分+基礎年金」で決まります。
自分の給与水準と加入年数をもとに概算するだけでも、老後の生活設計に役立ちます。
今回ご紹介したように、平均年収300万円で40年間働いた場合は月額12万円前後、500万円で35年間なら月額14万円前後が目安です。
正確な金額を知りたい場合は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を確認することをおすすめします。
老後の生活を安心して迎えるために、今から自分の年金額を把握して準備しておきましょう。