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C#を使ってプログラミングをしていると、「アセンブリ(Assembly)」という言葉を目にすることがあります。アセンブリは、.NETアプリケーションにおける基本的な構成単位であり、プログラムの再利用性やセキュリティ、バージョン管理にも大きく関わっています。
この記事では、C#におけるアセンブリの意味や役割から、種類、作成方法、活用の実例までを、初心者にもわかりやすく解説します。アセンブリの理解が深まれば、より効率的な開発やトラブルの予防にもつながります。ぜひ最後までご覧ください。
アセンブリとは、.NETアプリケーションを構成する最小の実行単位であり、コンパイルされたコード(IL:中間言語)とメタデータ、リソースが一つにまとめられたファイルです。拡張子は通常「.exe」または「.dll」です。
このアセンブリをもとに、.NETランタイムはコードを読み込み、必要な型やメソッドを実行します。
アセンブリは「物理的な構成単位」として機能する一方で、「論理的な名前空間」や「型情報」なども保持しています。
アセンブリには大きく分けて2つの種類があります。
特定のアプリケーションだけで使用されるアセンブリ。アプリケーションのフォルダに配置され、他のアプリケーションとは共有されません。
複数のアプリケーションから利用されるアセンブリ。グローバルアセンブリキャッシュ(GAC)に登録されて共有されます。バージョン管理や署名が必要になります。
アセンブリには以下のような情報が含まれます。
この構造により、.NET Frameworkや.NET Coreランタイムは柔軟にアセンブリを読み込むことができるのです。
Visual Studioやコマンドラインを使ってアセンブリを簡単に作成できます。
/bin/Debug
などのフォルダに .dll
や .exe
が出力されるcsc /target:library /out:MyLibrary.dll MyClass.cs
このようにすれば、MyLibrary.dll
というアセンブリを手動で作成できます。
共有アセンブリを作成する場合には「強い名前(Strong Name)」で署名する必要があります。これはアセンブリの一意性を保ち、信頼性を高めるためのものです。
bashコピーする編集するsn -k MyKey.snk
[assembly: AssemblyKeyFile("MyKey.snk")]
これにより、アセンブリは他のソースと区別され、GACへの登録も可能になります。
アセンブリはアプリケーションから動的または静的に読み込むことができます。
Visual StudioのプロジェクトにDLLを参照追加すれば、自動的に読み込まれます。
Assembly asm = Assembly.LoadFrom("MyLibrary.dll");
Type type = asm.GetType("MyLibrary.MyClass");
object obj = Activator.CreateInstance(type);
この方法を使えば、実行時にアセンブリを切り替えたり、プラグイン機能のような拡張性を実現できます。
アセンブリと名前空間は別物です。アセンブリは「ファイル単位」であり、名前空間は「コードの論理的な区分」です。
たとえば、同じ名前空間でも複数のアセンブリにまたがって定義されていることがあります。そのため、同じ名前空間でも異なるDLLを参照することで異なる機能が読み込まれる可能性もあります。
アセンブリには以下のようなバージョン番号が付けられます。
[assembly: AssemblyVersion("1.0.0.0")]
このバージョン管理により、アプリケーションの互換性や安定性を保つことができます。
C#のアセンブリは、単なる「ファイル」ではなく、.NETプラットフォーム全体の仕組みを支える重要な構成要素です。アセンブリの構造や役割、活用方法を理解することで、アプリケーションの信頼性や再利用性を高めることができるでしょう。
特に、共有アセンブリや動的読み込み、強い名前の活用などは、実践的なプロジェクトで役立つ知識です。今回の記事を参考に、ぜひアセンブリの扱いをマスターしてみてください。