Google Apps Script（GAS）は、Googleの各種サービスを自動化できる便利なスクリプト言語です。GoogleスプレッドシートやGmail、Googleカレンダーなどを連携させて、自分専用のツールを作ることができます。本記事では、GASの基本的な書き方から、簡単な自動化スクリプトの例までを初心者向けにわかりやすく解説します。これから業務の効率化を目指したい方や、ノーコード・ローコードに興味がある方にぴったりの内容です。
Google Apps Scriptは、JavaScriptをベースにしたスクリプト言語で、Google Workspaceのサービスと連携するために開発されました。
たとえば、以下のような作業を自動化できます：
GASはGoogleが用意したオンラインエディタを使って、ブラウザだけで開発が可能です。開発環境を用意する必要がなく、すぐに始められるのが魅力です。
スクリプトエディタは以下のような構成になっています：
コード.gs: メインのコードファイル（.gs拡張子）プロジェクト名: スクリプト全体の名前GASはJavaScriptをベースにしているので、基本的な文法もJavaScriptに近いです。以下、主な書き方を紹介します。
function myFunction() {
Logger.log("Hello, Google Apps Script!");
}
function getData() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
var values = sheet.getDataRange().getValues();
Logger.log(values);
}
function searchEmails() {
var threads = GmailApp.search('from:noreply@example.com');
for (var i = 0; i < threads.length; i++) {
var messages = threads[i].getMessages();
Logger.log(messages[0].getSubject());
}
}
GASにはGoogleサービスを操作するためのライブラリが多数用意されています。
| サービス | 主な機能 |
|---|---|
SpreadsheetApp | スプレッドシート操作 |
GmailApp | Gmailの検索、メール送信、取得など |
CalendarApp | カレンダーのイベント作成、取得など |
FormApp | Googleフォームの操作 |
DriveApp | Googleドライブのファイル管理 |
たとえば、「Googleフォームの回答に基づいてカレンダーに予定を登録する」ような連携も、これらのライブラリを組み合わせて簡単に作成できます。
function sendEmailFromSheet() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getSheetByName("連絡先");
var data = sheet.getDataRange().getValues();
for (var i = 1; i < data.length; i++) {
var name = data[i][0];
var email = data[i][1];
var message = "こんにちは " + name + "さん、こちらは自動送信されたメッセージです。";
GmailApp.sendEmail(email, "自動送信メール", message);
}
}
これにより、たとえば毎朝8時にメール送信処理を自動で行えます。
GASの開発では、エラーが発生したときの対処も重要です。
Logger.log() を使えばログ出力ができますまた、スプレッドシートのセル内容を確認しながら動作をテストすることで、想定通りの動作をしているかチェックしましょう。
Google Apps Scriptは、誰でも無料で使える強力な自動化ツールです。難しいプログラミングの知識がなくても、簡単な記述だけで業務の効率化を図ることができます。
まずは、スプレッドシートから始めて、少しずつGmailやカレンダーと連携させるなど、自分なりの使い方を試してみましょう。
継続的に使っていくことで、「こういうときにも使えるかも」という視点が広がり、業務改善の強力な武器になるはずです。