データベースと聞くと、専門知識が必要だったり、大規模なサーバーが必要だと思うかもしれません。
しかし「SQLite」は違います。サーバー不要で、軽量かつ高機能。アプリ開発や学習用途にもぴったりのデータベースです。
この記事では、SQLiteの基本的な特徴から、実際のインストール手順、基本的な使い方まで、初心者にもわかりやすく解説していきます。
これからプログラミングやデータ管理を学びたい方、アプリにデータベースを組み込みたい方は必見です。
SQLiteは、サーバー不要で動作するリレーショナル・データベース管理システム(RDBMS)です。
「Lite(軽量)」という名の通り、インストールも簡単、必要なファイルもたった1つのライブラリで構成されており、非常に軽快に動作します。
大規模なシステム向けではないものの、小〜中規模のアプリケーションには十分な性能を持っており、特にモバイルアプリや組み込みシステム、開発環境で広く活用されています。
また、SQL(Structured Query Language)に対応しているため、MySQLやPostgreSQLなど他のRDBMSと同じようにクエリを扱えます。
SQLiteは以下のような環境で使われています。
SQLiteには、他のRDBMSと比較してもユニークな特徴が多くあります。主なポイントは以下の通りです。
SQLiteは「クライアント/サーバー」型ではなく、「ライブラリ型」のデータベースです。
そのため、データベースエンジンをアプリに組み込んで直接操作できます。セットアップが非常に簡単です。
SQLiteは、1つの.db
ファイルにすべてのデータ、テーブル、インデックスなどを保存します。
このファイルをコピーするだけで、データベースのバックアップや移行が可能になります。
大量の同時アクセスには向きませんが、ローカル環境での読み書きには非常に高速です。
特に読み込み処理が速く、モバイルアプリにおけるキャッシュ用途でも活躍します。
SQLiteはACID準拠で、トランザクション処理にも対応しています。複数の処理をまとめて管理でき、データの整合性も保てます。
SQLiteはパブリックドメインで提供されており、ライセンスフリーで商用利用も可能です。安心して製品に組み込めます。
ここからは、実際にSQLiteを自分のPCで使うためのインストール手順を紹介します。
ここではWindowsを例に説明しますが、MacやLinuxでも手順はほぼ同様です。
まずは、SQLiteの公式サイトにアクセスします。
URL:https://www.sqlite.org
以下の3つのファイルをダウンロードします。
通常は「sqlite-tools-win32-x86」だけでも十分です。
ダウンロードしたZIPファイルを任意のフォルダに解凍します。
例:C:\sqlite
に解凍すると管理しやすくなります。
コマンドプロンプトでどこからでもSQLiteを使いたい場合は、環境変数にSQLiteのパスを追加しておきましょう。
手順:
SQLiteをインストールしたら、早速使ってみましょう。
コマンドプロンプト(またはPowerShell)を開いて、以下のように入力します。
sqlite3 test.db
このコマンドで test.db
という名前のデータベースファイルが作成され、SQLiteの操作画面に入れます。
CREATE TABLE users (
id INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT,
email TEXT
);
INSERT INTO users (name, email) VALUES ('田中太郎', 'taro@example.com');
SELECT * FROM users;
.quit
非常に簡単に始められるのがSQLiteの魅力です。
SQLiteは軽量でシンプルですが、あらゆる場面で万能ではありません。
以下に、SQLiteが適しているケースと不向きなケースを簡単にまとめます。
SQLiteは、シンプルで扱いやすいにも関わらず、実用性も兼ね備えた優秀なデータベースです。
特にこれからプログラミングを学びたい人、ローカルで手軽にデータベースを試したい人にとっては最適な選択肢でしょう。
本記事では、SQLiteの特徴から導入手順、基本的な使い方までを解説しました。
まずは一度インストールして、簡単なSQL操作を試してみてください。
「データベースって難しそう…」という印象が、きっと変わるはずです。