SQLiteを使ってデータベースを構築・運用していると、データ量が増えるにつれて「検索が遅くなった」「特定のクエリに時間がかかる」といった問題に直面することがあります。こうしたパフォーマンスの低下を解決する基本的なテクニックが「インデックスの活用」です。この記事では、SQLiteにおけるインデックス(INDEX)の仕組み、作成方法、そして実際の効果についてわかりやすく解説します。実務に役立つ具体例や注意点も紹介していますので、SQLiteでの開発を加速させたい方は必見です。
インデックスとは、テーブル内のデータに対して効率的にアクセスするための「検索用の目次」のような仕組みです。データベースは通常、全件をスキャンして検索を行いますが、インデックスを使うことで必要なデータを高速で特定できます。
たとえば、本の巻末索引のように「あいうえお順で単語を探す」といった動作と似ています。インデックスを使用することで、検索処理やソート処理のスピードが大幅に改善されます。
SQLiteでインデックスが役立つのは以下のような場面です。
WHERE
句による検索が頻繁に行われるORDER BY
で並び替えを行うJOIN
で他のテーブルと結合する際のキーUNIQUE
制約による重複防止GROUP BY
で集計を行うとき特に数千件〜数百万件のレコードを扱う場合、インデックスがあるかないかで処理時間に大きな差が出ます。
SQLiteではCREATE INDEX
構文を使ってインデックスを作成します。基本的な構文は以下の通りです。
sqlコピーする編集するCREATE INDEX index_name ON table_name(column_name);
CREATE INDEX idx_users_name ON users(name);
このコマンドにより、users
テーブルのname
列に対してインデックスが作成され、名前による検索が高速化されます。
SQLiteでは以下のようなインデックスのバリエーションがあります。
CREATE INDEX idx_column ON table(column);
CREATE UNIQUE INDEX idx_unique_email ON users(email);
このインデックスは重複を許さず、INSERT
やUPDATE
時にもバリデーションとして機能します。
CREATE INDEX idx_multi ON orders(customer_id, created_at);
複数列を対象とすることで、複合条件での検索に強くなります。
SQLiteではEXPLAIN QUERY PLAN
を使うことで、インデックスが使われているかを確認することができます。
EXPLAIN QUERY PLAN SELECT * FROM users WHERE name = 'Taro';
実行結果に「USING INDEX」と表示されれば、インデックスが利用されていることが確認できます。
便利なインデックスですが、いくつかの注意点もあります。
INSERT
やUPDATE
、DELETE
時にはインデックスも更新する必要があるため、書き込み処理が重くなります。したがって、どの列にインデックスを付けるかは、実際の使用頻度に基づいて慎重に判断する必要があります。
使わなくなったインデックスは削除することで、不要なリソースを節約できます。
DROP INDEX index_name;
例:
DROP INDEX idx_users_name;
SQLiteでのインデックスは、データベースの検索・集計・並び替え処理の効率を大幅に高める強力な機能です。適切なカラムに対してインデックスを設定することで、アプリのパフォーマンス向上に大きく寄与します。しかし、万能ではなく、使い方を誤ると逆効果になることもあります。
この記事で紹介したインデックスの作り方・活用方法・注意点を参考に、あなたのSQLiteプロジェクトをよりスムーズに運用してみてください。