数学の基本のひとつである「素数」と「素因数分解」。
学校で習ったものの、日常生活ではあまり意識することがなく、理解が曖昧になっている方も多いかもしれません。
しかし、素数や素因数分解は数学の土台となる考え方であり、暗号技術やコンピュータ科学などの現代技術にも深く関わっています。
本記事では、数学が苦手な方でもスムーズに理解できるように、まず 「素数や素因数分解を理解するための前提知識」 を解説し、その後に 「素数と素因数分解」 の概念を詳しく説明します。
ぜひ最後まで読んで、数学の基礎をしっかりと学び直しましょう!
「素数」と「素因数分解」は、自然数 という分類に属する概念です。
素数は自然数の中に存在する特別な数 です。整数全体を考えるとき、負の素数という概念はないため、素数を学ぶ際は自然数を基本とします。
素数を理解するには、「約数」と「倍数」の概念をしっかり押さえておくことが重要 です。
素数は「約数が1と自分自身しかない数」 という特徴を持ちます。
逆に言えば、1とその数自身以外にも約数がある数は「合成数」 と呼ばれます。
「最大公約数」や「最小公倍数」を求める際に、素因数分解が重要な役割を果たします。
公約数と公倍数を求めるためには、各数を素因数分解するのが便利 なのです。
素数とは?
「1と自分自身以外に約数を持たない、1より大きい自然数」
例えば、以下の数は素数です。
→ 2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, …
素数の特徴
「1は素数ではないの?」と疑問に思うかもしれませんが、1は 「1と自分自身」 の条件を満たしません。
なぜなら、1の約数は 「1のみ」 であり、素数の定義(1と自分自身の2つの約数を持つこと)を満たさないからです。
素因数分解とは、ある整数を「素数の積」に分解すること を指します。
すべての自然数は、素数の掛け算で一意に表すことができます。(これを 「整数の一意分解定理」 と呼びます。)
いくつかの数を素因数分解してみましょう。
例1:12の素因数分解
→ 12 = 2 × 2 × 3 = 2² × 3
例2:45の素因数分解
→ 45 = 3 × 3 × 5 = 3² × 5
例3:120の素因数分解
→ 120 = 2 × 2 × 2 × 3 × 5 = 2³ × 3 × 5
例えば、18 と 24 の最大公約数を求めてみましょう。
共通する素因数は 2 × 3 = 6 なので、最大公約数(GCD)は 6 です。
素因数分解が極めて難しい性質を持つため、RSA暗号というインターネット通信の安全性を保つ技術に活用されています。
本記事では、素数と素因数分解について詳しく解説しました。
この知識を活かして、数学をより深く理解していきましょう!