「処暑(しょしょ)」は二十四節気のひとつで、暦の上で暑さが落ち着き始める時期を指します。お盆が過ぎて夏のピークが終わり、少しずつ秋の気配を感じられるようになる頃です。まだまだ日中は暑さが残るものの、朝夕の風が涼しくなったり、虫の声が聞こえてきたりと、季節の移ろいを肌で感じるタイミングでもあります。本記事では、処暑の意味や由来、時期ごとの特徴、暮らしにまつわる風習や食べ物について詳しく解説します。
処暑とは、二十四節気の一つで「暑さが止む(処する)」という意味を持ちます。毎年8月23日ごろに訪れ、立秋(8月7日ごろ)と白露(9月8日ごろ)の間に位置します。
暦の上では暑さが峠を越えて落ち着く頃とされていますが、日本ではまだ残暑が厳しい地域も多く、体感的には「秋の始まり」とは言い難い部分もあります。しかし、夜になると涼しい風を感じることが増え、季節の変わり目を意識しやすい時期といえるでしょう。
「処」という字は「とどまる・収まる」という意味があり、「暑さが収まる時期」というニュアンスを表しています。中国の古代の暦に由来しており、農業や生活の指標として活用されてきました。
処暑は太陽黄経150度にあたる日で、毎年8月23日ごろから始まり、次の節気である「白露」が訪れるまでの約15日間を指します。
この時期は、夏の甲子園が終わり、各地で稲が実り始め、秋祭りの準備が始まるなど、暮らしの中でも秋への移行が感じられます。
気象的には台風シーズンと重なり、天候が不安定になりやすいのも特徴です。特に日本列島は台風の通り道にあたり、処暑から9月にかけては大雨や暴風への備えが必要な時期でもあります。
処暑の頃になると、自然界ではさまざまな変化が見られます。
このように、処暑は「視覚」「聴覚」「体感温度」のいずれにおいても、夏から秋への移り変わりを実感できる時期です。
処暑の頃には、地域ごとにさまざまな風習や行事があります。
これらの風習は、自然と共に生きてきた日本人の生活の知恵を色濃く反映しています。
処暑の時期には、夏の疲れを癒し、秋に備える食べ物が親しまれてきました。
食事に季節の食材を取り入れることで、自然のリズムを体に取り入れ、健康を保つことができます。
処暑は、夏の疲れが出やすい時期でもあります。体調を崩さないように、以下のような暮らしの工夫が大切です。
この時期に暮らしを整えることが、秋以降の生活を快適にするポイントになります。
現代では冷房や暖房が普及し、自然の変化を感じにくくなっているかもしれません。しかし、処暑を意識することで、自然と共に生きる感覚を取り戻すことができます。
例えば、仕事や生活に追われる日々でも「今日は処暑だな」と意識すると、窓の外の風や虫の声に気づき、季節を味わう心の余裕が生まれます。こうした小さな気づきは、日々の生活に彩りを加えてくれるでしょう。
処暑は「暑さが収まり始める時期」を意味し、夏から秋への移行を示す二十四節気のひとつです。自然の変化や暮らしの工夫、旬の食べ物を通じて、私たちは季節のリズムを感じることができます。
現代においても、処暑を意識することは心と体を整えるきっかけになります。残暑を乗り切り、実りの秋を迎える準備をする大切な節目として、処暑を暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。