Categories: 資格対策 宅建

【宅建試験対策】建築基準法をやさしく解説|頻出ポイントと覚え方のコツ

宅地建物取引士(宅建士)の試験では、都市計画法や建築基準法といった法令の理解が重要です。中でも「建築基準法」は、建物の構造や建築制限に関する出題が多く、得点源にしやすい分野でもあります。しかし、法律特有の言い回しや用語が多いため、苦手意識を持つ受験者も少なくありません。この記事では、宅建試験に頻出する「建築基準法」について、ポイントを絞ってわかりやすく解説します。効率よく学習するための覚え方や、よくある引っかけ問題への対策も紹介しますので、ぜひ最後まで読んで得点力アップに役立ててください。


建築基準法とは?まず押さえるべき基礎知識

建築基準法は、「人々の安全・健康・生活環境を守るため」に建築物の構造や用途、敷地などに関する基準を定めた法律です。昭和25年に制定され、時代の変化に合わせて改正が繰り返されてきました。

宅建試験では、以下のような視点からの出題が多いです:

  • 建築物の用途制限
  • 建ぺい率・容積率の規制
  • 接道義務
  • 防火地域・準防火地域の規制
  • 建築確認申請が必要な建築行為

つまり、「どこに」「どんな建物が」「どのように建てられるのか」が問われるのです。


用途地域と建物の用途制限

建築基準法では、用途地域ごとに建てられる建物の種類が決まっています。たとえば、住宅地に工場が建っては住環境が悪化してしまうため、地域ごとに制限を設けているのです。

用途地域は全部で13種類あり、次のように分類されます。

  • 住居系(例:第一種低層住居専用地域、第二種住居地域など)
  • 商業系(例:近隣商業地域、商業地域)
  • 工業系(例:工業地域、準工業地域)

【例題対策】 第一種低層住居専用地域では、原則として3階建て以上の建物や店舗の建築は認められていません。

【覚え方】 「低層=静かな住宅地=店舗ダメ」とイメージで覚えると効果的です。


建ぺい率と容積率をマスターする

建ぺい率と容積率は、敷地のどれくらいの面積に建物を建てられるか、何階まで建てられるかを示す指標です。

  • 建ぺい率(%)=建築面積 ÷ 敷地面積 × 100
  • 容積率(%)=延べ面積 ÷ 敷地面積 × 100

【例】 敷地面積100㎡、建ぺい率60%なら、建築面積は60㎡まで。

注意すべきは、「前面道路の幅員によって容積率が制限される場合」があることです。

【公式】 前面道路の幅 × 0.4(もしくは0.6)=最高容積率(%)

【例題対策】 「容積率200%、前面道路幅員4m、住居系地域(制限0.4)」
→ 4m×0.4=160% → 200%より小さいので160%が適用される


接道義務と道路の種類

建築物を建てるには、原則として「幅4m以上の道路に2m以上接している敷地」である必要があります。これを「接道義務」と呼びます。

道路の種類も試験に頻出です:

  • 法42条1項1号道路:いわゆる「公道」
  • 法42条1項5号道路:いわゆる「位置指定道路」
  • 法42条2項道路:幅が4m未満でも認められる「みなし道路」

【ポイント】 建築基準法上の道路でないと建築確認が下りません。私道でも「位置指定道路」であればOK。

【覚え方】 「1号=普通の道」「5号=指定された道」「2項=古いけどみなす道」


防火地域・準防火地域の制限

都市部では火災被害を防ぐため、「防火地域」や「準防火地域」が定められています。

  • 防火地域:3階以上または延べ面積100㎡超の建物は耐火建築物が必要
  • 準防火地域:延べ面積500㎡超の場合に耐火建築物や準耐火建築物が必要

【頻出ポイント】 建築する場所と建物の規模に応じて、構造の基準が変わります。

【例題】 「準防火地域で延べ面積600㎡の建物を新築する場合はどうなる?」
→ 準耐火建築物以上が必要、というような出題に備えましょう。


建築確認が必要な行為とその例外

原則として、新築・増築・改築・移転には「建築確認」が必要です。これは建築主事または指定確認検査機関に申請します。

【例外】

  • 10㎡以内の物置
  • 農業用の仮設建築物(条件付き)
  • 特定行政庁が指定した区域外での軽微な工事

【出題例】 「10㎡以下の物置を設置する場合、建築確認は必要か?」→ 不要

【注意】 増築部分が10㎡を超える場合は、確認申請が必要になります。


よく出るひっかけ問題と対策

宅建試験では、建築基準法の細かい条文から「数字」や「例外」を問う問題が多く出されます。

【引っかけ例】

  • 容積率を敷地面積で割ってしまう(正しくは延べ面積÷敷地面積)
  • 道路に接していればすべて建築可と勘違い(法42条の道路でないと不可)

【対策】 数字は語呂合わせや図で覚える。過去問を繰り返して出題パターンを把握することが有効です。


効率よく学ぶための勉強法と覚え方

  1. 図解で覚える:用途地域、接道、建ぺい率などは図が有効。
  2. 過去問中心:5年分を3回以上まわす。
  3. 語呂合わせで暗記:「容積率=ようせき(延べ床)」で記憶に残す。
  4. YouTubeやアプリも活用:視覚的に理解しやすい動画学習もおすすめ。

まとめ

建築基準法は、宅建試験において得点源になる重要な分野です。一見すると複雑なルールに見えますが、ポイントを押さえて繰り返し学習すれば、確実に点を取れるようになります。用途地域、建ぺい率・容積率、接道義務、防火地域の規制、建築確認の範囲など、頻出の論点に的を絞って学習しましょう。過去問を活用し、知識を定着させることで本番での自信にもつながります。効率よく合格を目指して、ぜひこの記事を何度も読み返して学びを深めてください。

upandup

Web制作の記事を中心に、暮らし、ビジネスに役立つ情報を発信します。 アフィリエイトにも参加しています。よろしくお願いいたします。