出張が終わったあとに提出する「出張報告書」は、上司や関係部署に出張の成果や要点を正確に伝えるための重要なビジネス文書です。正しく書くことで、自身の業務遂行能力の証明にもなり、評価にもつながることがあります。しかし、「何をどこまで書けばいいのか分からない」「形式に迷う」といった声も多く聞かれます。
この記事では、誰でもすぐに書けるようになる出張報告書の基本構成とポイント、具体的な文例を交えて詳しく解説します。
出張報告書とは、出張先での業務内容や得られた成果、課題などを報告する書類です。主な目的は次の3つです。
特に、営業や調査、打ち合わせなど対外的な活動を行った場合、その内容を文書に残しておくことは、今後の戦略を考える上でも重要です。
出張報告書には決まった型があります。会社ごとにフォーマットが異なることもありますが、基本的には以下の項目を押さえておけば問題ありません。
これらの項目を順に記述することで、読みやすく整った報告書になります。
出張報告書を書くときの基本姿勢は「事実ベースで簡潔にまとめる」ことです。
また、同じような出張が今後ある場合に備えて「誰が読んでも状況がわかる内容」にしておくことが重要です。
以下は、シンプルな出張報告書の例文です。
出張報告書
宛先:営業部長 〇〇様
報告者:営業部 △△
出張日:2025年7月10日(木)〜7月11日(金)
出張先:大阪府 大阪市 株式会社〇〇
目的:新製品の提案および商談
【訪問内容】
7月10日 午後2時より、株式会社〇〇の購買部長A氏、商品開発課B氏と面談を行い、新製品「X-500」について提案を実施しました。
【成果】
・初回ロットとして200台の注文を獲得
・販売エリアとして関西圏を中心に展開予定との意向あり
・10月末までに納品希望との確認
【今後の対応】
・契約書の送付(7月15日まで)
・納品スケジュールの調整
・販売サポート資料の提供
【所感】
商品コンセプトへの理解も深く、今後の取引拡大が期待される。競合他社との比較情報も得られたため、今後の営業戦略の参考としたい。
出張報告書では、以下のような記述は避けたほうがよいでしょう。
NG例①:抽象的すぎる表現
×「先方には概ね好印象を持っていただけたと思う」
→〇「先方からは〇〇のデザインに対して高評価のコメントがあり、導入前向きの意向が見られた」
NG例②:だらだらと長文で書く
×「出張では、いろいろと話をさせていただいたのですが、なかなかうまくいかずに…」
→〇「〇〇に関する提案は先方の予算都合により今回は見送りとなった」
具体的な事実や数値を中心に、1文を簡潔にまとめることがポイントです。
毎回ゼロから報告書を作成するのは非効率です。会社でフォーマットが用意されていない場合は、次のようなExcelやWord形式でテンプレートを作っておくと効率的です。
出張報告書フォーマット(例)
項目 | 内容記入例 |
---|---|
報告者 | 総務部 山田太郎 |
出張期間 | 2025年7月10日〜7月11日 |
出張目的 | 新規仕入先との打ち合わせ |
訪問先 | 株式会社ABC(名古屋市) |
実施内容 | 商品説明、納期調整、契約条件の確認など |
成果・所感 | 前向きな反応あり、契約締結に向け準備開始予定 |
紙ではなくメールで提出する場合は、以下のような文面が参考になります。
件名:7月10日〜11日 出張報告書のご提出
営業部長〇〇様
お疲れ様です。営業部△△です。
7月10日〜11日に実施いたしました出張について、下記の通り報告書を提出いたします。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
(報告書本文または添付ファイル)
以上、よろしくお願いいたします。
出張報告書は、単なる事務手続きではなく、「どんな行動をとり、何を得て、今後どうするか」を社内に伝える大切なビジネス文書です。フォーマットに沿って丁寧に書けば、初めての方でもしっかりとした内容に仕上がります。
日々の業務を確実に伝える一歩として、出張報告書を有効に活用していきましょう。