未払金の仕訳をわかりやすく解説!初心者でも理解できる実務のポイント

日々の経理業務の中で頻繁に登場する「未払金」。特に決算期や経費精算のタイミングでは、この勘定科目を正しく理解しておくことが欠かせません。
仕訳を誤ってしまうと、決算書や損益計算書に大きな影響を及ぼすこともあります。

この記事では、「未払金」とは何か、仕訳の基本的な考え方やよくあるケース、似た勘定科目との違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。
経理担当者はもちろん、簿記を勉強中の方にも役立つ内容です。


未払金とは何か?

未払金とは、商品やサービスを受け取ったものの、まだ代金を支払っていない負債を指します。
例えば、備品を購入して受け取ったが、支払いは翌月にする場合などがこれにあたります。

ポイントは、仕入取引ではない“その他の支出”が対象になるという点です。
つまり、「仕入債務(買掛金)」とは区別される必要があります。

未払金の主な例:

  • 備品購入代金の未払い
  • 外注費の未払い
  • 修繕費の未払い
  • 税理士報酬などの未払い

このように、消耗品や業務委託に対しての未払いが中心です。


未払金の仕訳の基本

未払金を使った仕訳は、以下のような形になります。

例1:備品を現物で受け取り、代金は翌月払い(110,000円・税込)

(借方)備品 100,000円  
(借方)仮払消費税 10,000円
   (貸方)未払金 110,000円

商品やサービスの受領時に費用や資産の計上をし、支払い義務を「未払金」として記録します。
支払い時には以下のような仕訳になります。

例2:翌月に支払った場合

(借方)未払金 110,000円  
(貸方)普通預金 110,000円

このように、未払金の処理は2回に分けて行うことが多いです。


未払金と買掛金の違い

「未払金」と「買掛金」はよく混同されがちですが、明確に使い分けが必要です。

区分内容
買掛金商品の仕入れに関する未払い代金
未払金その他の支払い(備品・外注など)

具体例:

  • 商品仕入れ ⇒ 買掛金
  • パソコン購入 ⇒ 未払金
  • 弁護士報酬の未払い ⇒ 未払金

仕入取引であるかどうかがポイントになります。


未払費用との違いも理解しよう

「未払金」と「未払費用」も似て非なるものです。
未払費用はすでにサービスを受けたが、まだ請求書が来ていない、または支払っていない費用です。

例:3月末に電気代の請求がまだ来ていない場合

(借方)水道光熱費 20,000円  
(貸方)未払費用 20,000円

違いのまとめ:

区分タイミング具体例
未払金物・サービスを受け取って、請求もある備品の代金など
未払費用サービスを受けたが、請求はまだ電気代、家賃など

未払金の仕訳でよくあるミス

未払金の処理でよく見られる誤りには次のようなものがあります。

ミス①:買掛金で処理してしまう

仕入取引でない場合は「買掛金」ではなく「未払金」を使う必要があります。
混同しないよう、支出の内容をしっかりと把握しましょう。

ミス②:未払処理をせずに費用未計上

支払いが翌月であっても、費用や資産は発生主義に基づき、当月に計上しなければなりません。


決算期における未払金の処理の重要性

決算期には、未払いの取引を正確に計上する必要があります。
未払金を適切に仕訳していないと、費用や資産の過不足が発生し、税務上の問題にもつながります。

例えば、以下のような処理が必要です。

例:3月中に備品を受け取り、請求書が届いたが未払い

(借方)備品 150,000円  
(貸方)未払金 150,000円

これにより、3月の決算書に正確に反映されます。


実務で使える未払金の仕訳例【5選】

① 外注費の未払い

(借方)外注費 80,000円  
(貸方)未払金 80,000円

② 税理士報酬の未払い(源泉徴収あり)

(借方)支払報酬 100,000円  
(貸方)未払金 89,790円
(貸方)預り金 10,210円

③ 備品購入(分割払いの1回目)

(借方)備品 300,000円  
(貸方)未払金 300,000円

④ 修繕費の未払い

(借方)修繕費 50,000円  
(貸方)未払金 50,000円

⑤ 車検費用の未払い

(借方)車両費 70,000円  
(貸方)未払金 70,000円

まとめ|未払金の正しい理解が経理の信頼を高める

未払金は、経理処理の中でもよく使われる勘定科目です。
しかし、似たような科目が多いため、用途やタイミングを正しく理解して使い分ける必要があります。

特に以下の点を押さえましょう:

  • 商品仕入れ以外の未払いには「未払金」を使う
  • 決算期には未払処理を忘れずに行う
  • 「未払費用」「買掛金」との違いを把握しておく

正確な仕訳ができるようになることで、経理としての信頼性や業務精度が一段と高まります。
ぜひ、日々の業務で役立ててください。

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