設備導入の稟議書の書き方と例文|通りやすい文面と構成のコツ

新しい設備を導入する際、稟議書の作成は欠かせません。
しかし「どのように書けば説得力があるのか」「必要な情報は何か」などで悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、設備導入の稟議書の構成、注意点、そして実際に使える例文を交えて、わかりやすく解説します。
これから稟議書を作成する方はもちろん、より通りやすい稟議書を目指す方にも役立つ内容です。


設備導入の稟議書とは?

稟議書とは、社内での意思決定を仰ぐために作成する文書です。
設備導入の稟議書では、導入の目的、コスト、効果、代替案の検討状況などを明記し、関係者の承認を得るために使われます。

この文書の質によって、設備導入の承認スピードや実現可能性が大きく左右されるため、明確かつ簡潔に記述することが大切です。


稟議書に含めるべき項目

設備導入の稟議書には、次のような基本的な構成が求められます。

  • 件名・目的
  • 導入の背景・理由
  • 導入設備の概要
  • 導入による効果
  • 費用および見積もり
  • 導入スケジュール
  • 代替案の検討
  • リスクとその対策
  • 最終的な結論とお願い

それぞれの項目について、次の見出しで詳しく解説していきます。


件名・目的:誰が見てもわかるタイトルを

最初に、稟議書の件名として「○○設備導入の稟議書」と明記しましょう。
目的も短く記し、「生産効率の向上を目的とした設備導入」など、導入意図がすぐにわかるように記載するのがポイントです。

例文:

件名:新型パッケージ機導入の稟議書
目的:生産ラインの自動化促進と、包装作業の人手不足解消のため


導入の背景・理由:なぜ今、設備が必要なのか

ここでは、現状の課題や問題点を説明し、それを解決するために設備が必要であるという流れを作ります。

例文:

現在、パッケージ作業の約80%を人手に頼っており、作業員の残業時間の増加や人員確保の課題が顕著になっています。
今後の人手不足のリスクや労務費上昇を見据え、自動化設備の導入を検討しました。


導入設備の概要:わかりやすく仕様と機能を明記

設備名、型番、メーカー、機能など、導入を検討している設備の概要を記述します。必要に応じて図や資料を添付するのも有効です。

例文:

・設備名:自動包装機 Model X100
・メーカー:ABC産業株式会社
・主な機能:製品の自動袋詰め、シール、梱包
・能力:1分間に30袋の処理が可能


導入による効果:定量的な表現で説得力を出す

ここでは、導入によって得られるメリットを「数値」で示すと説得力が増します。

例文:

導入により、パッケージ作業の人員が現在の5名から2名に削減可能となり、月あたり約25万円の人件費削減が見込まれます。
また、作業時間の短縮により1日あたりの出荷量が20%増加する見通しです。


費用および見積もり:比較や内訳があると安心感アップ

費用総額だけでなく、内訳や見積書の添付も重要です。複数社からの比較見積もりがある場合は、それを記載しましょう。

例文:

・設備本体費用:3,500,000円
・設置費用:500,000円
・保守契約:年間200,000円(任意)
合計:4,200,000円(税別)
※ABC産業株式会社からの見積書を添付しております。


導入スケジュール:実現可能な計画を提示

納期や設置期間、試運転、稼働開始予定日を記載し、社内スケジュールとの整合性も意識します。

例文:

・発注予定:2025年5月10日
・納品予定:2025年6月1日
・設置・試運転:2025年6月3日〜6月10日
・本稼働予定:2025年6月15日


代替案の検討:比較することで妥当性をアピール

ほかの設備や対応方法を検討した結果、今回の設備が最適であるという説明があると、稟議が通りやすくなります。

例文:

中古設備や他メーカーの廉価機種も検討しましたが、能力不足やアフターサポート面で課題があったため、ABC産業のX100を選定しました。


リスクとその対策:慎重な姿勢を伝える

設備導入にはリスクも伴うため、それを理解していることを伝えたうえで、具体的な対策案も記載します。

例文:

試運転時に想定外の不具合が発生する可能性がありますが、事前に担当エンジニアによる現地調査と初期研修を実施し、トラブル発生のリスクを最小限に抑えます。


最終的な結論とお願い:簡潔に承認を依頼

最後に、改めて導入の意図と効果を簡潔にまとめ、承認をお願いする文で締めくくります。

例文:

以上の理由から、X100自動包装機の導入を決定いたしました。
コスト削減と生産性向上に大きく寄与する設備であると確信しております。
つきましては、当件につきご承認賜りますようお願い申し上げます。


まとめ:ポイントを押さえた稟議書で、スムーズな承認を

設備導入の稟議書は、関係者の納得を得るための重要なビジネス文書です。
読み手が納得できるように、背景や目的、費用、効果、リスクを明確に記すことで、承認が得やすくなります。
本記事の例文や構成を参考に、説得力のある稟議書作成を目指してみてください。

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