業務効率を高めるために、パソコンの新規購入や買い替えを検討する場面は多くあります。ですが、会社の備品購入には稟議書を提出して承認を得る必要があります。特にパソコンは単価も高く、慎重な審査が求められるため、説得力のある稟議書の作成が重要です。この記事では、パソコン購入の稟議書の書き方や構成、具体的な例文までを紹介し、上司や決裁者の理解を得やすい内容にまとめるポイントを解説します。
パソコンは会社の設備投資の一環として扱われることが多く、一定金額以上の支出には正式な手続きが求められます。
稟議書は以下の目的で提出されます。
パソコン購入の稟議書には、次のような項目を押さえておくと効果的です。
これらを簡潔に、かつ具体的に記述することがポイントです。
単に「古くなったので買い換えたい」と記載するだけでは説得力に欠けます。たとえば「業務に支障が出ている」「アプリケーションの動作が重く、作業効率が低下している」など、業務への影響を具体的に説明しましょう。
「ノートパソコンが欲しい」と曖昧に書くのではなく、「Core i5以上、メモリ16GB、SSD512GB」といった業務に必要なスペックを具体的に提示します。予算については見積書を添付し、金額の根拠を示すことが重要です。
「このパソコンにより〇〇業務の処理時間が〇%短縮される見込み」など、投資に見合った効果があることを記載しましょう。定量的な効果が望ましいですが、定性的でも問題ありません。
以下に、パソコン購入の稟議書のサンプルを紹介します。フォーマットは各企業により異なりますが、内容の構成は多くの場面で応用可能です。
件名:営業部業務用パソコン購入に関する稟議申請
提出日:2025年4月20日
申請者:営業部 山田太郎
所属部署:営業部
申請目的:業務用ノートパソコンの更新
使用者:営業部スタッフ3名
使用場所:営業部フロア/出張先
購入理由・背景:
現在営業部で使用しているノートパソコンは、導入から6年以上が経過し、OSや各種業務アプリの起動・動作速度が著しく低下しています。業務上不可欠な営業管理ツールの起動にも5分以上かかり、業務効率の低下が課題となっております。
特に出先での商談時における資料提示や提案書作成に支障が出ており、クライアント対応の品質にも影響が懸念される状況です。
希望機種とスペック:
機種名:Dell Latitude 5440
OS:Windows 11 Pro
CPU:Intel Core i5(第13世代)
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 512GB
モニター:14インチFHD
価格:165,000円(税込)× 3台 = 合計495,000円(税込)
添付資料:見積書(株式会社○○○○より)
購入予定日:2025年5月中旬
納品予定日:2025年5月下旬
期待される効果:
上記パソコンへの更新により、日常業務の効率向上(書類作成、商談資料の準備時間短縮)、ならびに営業担当のストレス軽減が期待されます。また、顧客対応の迅速化と商談成功率の向上も見込まれます。
他の選択肢との比較:
他メーカー(HP、Lenovo等)とも比較検討した結果、コストパフォーマンス・アフターサポートの観点から、Dell製品が最適と判断しました。
備考:本購入は2025年度営業部予算の範囲内での実施となります。
決裁欄
係長:_____ 課長:_____ 部長:_____ 役員:_____
稟議書は提出して終わりではありません。承認が遅れている場合は、軽くフォローアップを入れるとスムーズに進みます。特に納期がある場合は「○月○日までに導入できると、○○の対応が可能になります」と期限を添えると説得力が増します。
パソコン購入の稟議書は、単なる「買いたい」という希望を伝える文書ではなく、「なぜ必要で、どんな効果があるか」を論理的に説明するツールです。使用目的と導入のメリットを明確に示せば、承認の可能性も高まります。
例文をベースに自社の事情に合わせてカスタマイズし、業務効率の向上につながる機器導入を実現してください。