Categories: 稟議書

採用稟議書の書き方と例文まとめ|スムーズな承認を得るためのポイント

新たに社員やアルバイトを採用する際、社内で必要となるのが「採用稟議書」です。採用稟議書は、会社の経営資源である「人」に関する重要な意思決定を促すための公式文書であり、的確な情報と説得力のある内容が求められます。本記事では、採用稟議書とは何か、基本構成、書き方のポイント、そしてすぐに使える例文を紹介します。これから稟議書を作成する方や、スムーズな承認を得たい方は、ぜひ参考にしてください。


採用稟議書とは?基本の役割と目的

採用稟議書とは、社員・契約社員・アルバイトなどの採用について、社内で正式な承認を得るために提出する文書です。
企業において人材採用は、単なる人員補充ではなく、経営戦略に直結する大きな投資です。よって、責任者や役員の承認を必要とし、その判断材料となるのが稟議書です。

目的は大きく3つあります。

  • 必要性の明確化(なぜ採用が必要か)
  • コスト管理(採用にかかる費用の妥当性確認)
  • 人材の質の担保(採用する人物の基準・期待役割を提示)

稟議書によって、社内全体で採用の重要性と方向性を共有し、リスク管理を徹底する役割も果たしています。


採用稟議書の基本構成とは?

一般的な採用稟議書には、以下の情報を盛り込みます。

  • 【採用対象】(職種、雇用形態)
  • 【採用理由】(なぜ必要なのか)
  • 【人数】(1名、複数名など)
  • 【採用予定時期】(いつから勤務させたいか)
  • 【想定年収・給与】(予算に合致しているか)
  • 【必要スキル・経験】(求める条件)
  • 【業務内容】(任せたい仕事)
  • 【採用経路】(求人広告、紹介、転職サイトなど)
  • 【採用コスト見込み】(求人費用、人材紹介料など)
  • 【期待される効果】(採用による業務改善・成長イメージ)
  • 【その他留意事項】(特殊事情があれば)

これらの項目を網羅することで、承認者に「採用の必要性」と「リスクの有無」をわかりやすく伝えることができます。


採用稟議書を書くときのポイント

1. 採用の緊急性を具体的に伝える

単に「人手が足りない」では説得力が弱いため、
「○月までに新規プロジェクトが始動し、○名のエンジニアを必要とするため」など、期限や業務内容を明確に伝えましょう。

2. 費用対効果を意識する

採用にかかるコストだけでなく、その結果どんな業務改善や売上拡大が期待できるか、効果を数字や具体例で示すと説得力が増します。

3. 具体的な人材像を描写する

「経験3年以上の営業職」「コミュニケーション力重視」など、求める人物像を具体的に示しましょう。曖昧な表現を避けると、後のミスマッチ防止にもなります。


採用稟議書の例文【正社員・営業職の場合】

以下に、実際に社内提出できる採用稟議書の例文を紹介します。


【タイトル】
営業職(正社員)採用に関する稟議書

【提出日】
2025年4月29日

【提出者】
営業部 部長 佐藤太郎

【採用対象】
営業職(正社員)

【採用理由】
現在、営業部では新規開拓案件の増加により、担当者一人あたりの案件数が限界を超えています。
6月に予定している新製品発売に伴う営業体制強化を目的に、新たな営業スタッフを1名採用する必要があります。

【人数】
1名

【採用予定時期】
2025年6月1日入社予定

【想定年収】
年収400万~500万円(月給28万~35万円程度)

【必要スキル・経験】
法人営業経験3年以上、基本的なPCスキル、普通自動車免許保有

【業務内容】
法人向け新規営業、既存顧客フォロー、見積作成、受注管理

【採用経路】
転職エージェントおよび自社採用ページからの募集

【採用コスト見込み】
採用広告費 約50万円、紹介手数料 約100万円(年収の20%)

【期待される効果】
新規開拓件数 月10件増加、営業売上 月額200万円増加見込み
既存顧客のフォロー強化による契約継続率の向上(現状70%→目標80%)

【その他留意事項】
試用期間3ヶ月を設け、試用期間終了後に本採用決定とする。


パターン別 採用稟議書の簡易例文(アルバイト・派遣の場合)

アルバイト採用の場合

【採用対象】
店舗販売スタッフ(アルバイト)

【採用理由】
繁忙期(夏季セール)の売上対応に伴う人員補強。

【人数】
2名

【採用予定時期】
2025年7月1日

【想定給与】
時給1,200円

【業務内容】
商品陳列、接客、レジ対応、品出し


派遣社員採用の場合

【採用対象】
一般事務職(派遣社員)

【採用理由】
育休取得社員の業務引継ぎ・サポートのため。

【人数】
1名

【採用予定時期】
2025年5月中旬

【想定給与】
派遣会社経由:時給1,600円(交通費込み)

【業務内容】
データ入力、資料作成、電話応対、その他庶務業務


採用稟議書を提出する際の注意点

  • 上長との事前すり合わせを行う
    いきなり提出するのではなく、事前に口頭ベースで上長と認識合わせをすると、承認がスムーズになります。
  • 記載内容に矛盾や抜け漏れがないか確認する
    特に「採用理由」と「期待効果」はセットで記載しましょう。
  • 社内フォーマットに合わせる
    会社によって稟議書のテンプレートが定められている場合は、必ずそれに従って作成しましょう。

まとめ

採用稟議書は、「誰を・なぜ・いつ・どんな条件で採用するか」を明確に伝える重要な社内文書です。的確な情報を整理し、採用の緊急性や費用対効果、具体的な効果予測を盛り込むことで、承認されやすくなります。本記事で紹介したポイントや例文を参考に、説得力ある採用稟議書を作成し、スムーズな採用活動に役立ててください。

upandup

Web制作の記事を中心に、暮らし、ビジネスに役立つ情報を発信します。 アフィリエイトにも参加しています。よろしくお願いいたします。