お盆を過ぎてもまだまだ暑さが続く日本の夏。そんな時期に相手を思いやり、健康を気づかう言葉として使われるのが「残暑見舞い」です。ビジネスの場面でもプライベートでも、残暑見舞いを送ることで丁寧な印象を与えられます。しかし、いざ書こうと思うと「どんな言葉を使えばいいのか」「ビジネス向けと友人向けでどう書き分ければいいのか」と迷う人も多いのではないでしょうか。この記事では、残暑見舞いの基本的な意味やマナー、そして実際に使える例文をビジネス・友人・家族向けなどシーン別にご紹介します。この記事を読めば、誰にでも自信を持って残暑見舞いを送れるようになるでしょう。
「残暑見舞い」とは、立秋(8月7日ごろ)以降に送る季節の挨拶状のことです。お中元や暑中見舞いと混同しがちですが、暦の上で秋に入ってから残る暑さをいたわる言葉が「残暑見舞い」と呼ばれます。
送る時期は立秋から8月末までが一般的で、遅くても9月初旬までに出すのがマナーとされています。特に近年は猛暑が9月まで続くこともあり、9月上旬に送ることも失礼にはなりません。ただし、あまり遅れると季節外れの印象を与えるため注意が必要です。
残暑見舞いには、大きく2つの意味があります。ひとつは「暑さの中で相手の健康を気づかうこと」。もうひとつは「日ごろの感謝を伝えること」です。特にビジネスシーンでは、取引先や上司に対して丁寧な関係づくりを続けるうえで大切な挨拶になります。
送る際のマナーとしては以下の点に注意しましょう。
形式ばかりを意識しすぎると堅苦しくなってしまいます。相手との関係に応じて、適度に柔らかい表現を取り入れるのも大切です。
ビジネスでは礼儀正しさが求められるため、基本はフォーマルな文章を心がけます。
例文1(取引先への残暑見舞い)
「残暑の折、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。連日の厳しい暑さが続いておりますが、皆様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。日ごろのご厚情に深く感謝申し上げますとともに、今後ますますのご発展をお祈り申し上げます。」
例文2(上司への残暑見舞い)
「立秋を過ぎてもなお厳しい暑さが続いておりますが、〇〇様におかれましてはご健勝にてお過ごしのことと存じます。暑さ厳しき折、どうぞご自愛専一にてお過ごしくださいませ。」
このように、相手の立場を考えた丁寧な表現が重要です。
親しい相手に送る場合は、形式にとらわれすぎず気軽な言葉を使っても構いません。
例文3(友人への残暑見舞い)
「まだまだ暑い日が続いてるね!体調崩していないかな?夏休みはどこか出かけた?私は〇〇に行ってきてリフレッシュしてきたよ。また涼しくなったら会いたいね。」
例文4(同僚への残暑見舞い)
「連日の猛暑で仕事も大変ですが、体調には気をつけて乗り切りましょう。秋になったら飲みに行きましょう!」
このように、近況報告や次に会う約束を添えると温かみが増します。
親しい家族や親戚には、気づかいや近況を少し長めに書いても喜ばれます。
例文5(両親への残暑見舞い)
「厳しい暑さが続いていますが、お元気でお過ごしでしょうか。私たちはおかげさまで元気にしています。夏休みには子どもたちと一緒にプールに行き、楽しい時間を過ごしました。まだ暑さは続きますので、くれぐれも体調には気をつけてくださいね。」
例文6(祖父母への残暑見舞い)
「立秋を過ぎてもまだ暑い日が続きますね。おじいちゃん、おばあちゃんもお変わりなく過ごされていますか。秋に帰省する予定ですので、その際にまた元気な顔を見せに行きます。残暑厳しき折、どうぞお体を大切になさってください。」
心のこもったメッセージを添えることで、遠方の親戚にも安心感を与えられます。
近年ははがきだけでなく、メールやLINEで残暑見舞いを送る人も増えています。メールやSNSの場合、少し柔らかい口調でも問題ありません。
例文7(メール版)
「残暑お見舞い申し上げます。まだまだ暑い日が続きますね。お体を大切に、元気にお過ごしください。また近いうちにお会いできるのを楽しみにしています。」
ただし、ビジネスの場合ははがきの方が正式とされるため、相手やシーンに応じて使い分けましょう。
残暑見舞いに一言加えるだけで、より印象的な挨拶状になります。
このように季節の移ろいや相手の生活を気づかう一言を加えると、文章が豊かになります。
残暑見舞いは、日本ならではの思いやりを表す習慣です。立秋を過ぎてから9月上旬までの間に、相手の健康を気づかう言葉を送ることで、人間関係をより温かいものにしてくれます。ビジネス、友人、家族と相手に合わせて表現を変えることが大切です。形式にとらわれすぎず、心からの気づかいを込めて送れば、きっと喜ばれるでしょう。