ビジネスの現場では、取引先への謝罪が避けられない場面が少なからずあります。納期の遅れ、情報の誤り、対応の不手際など、どんなに注意をしていてもミスは発生するものです。大切なのは、ミスそのものではなく、その後の対応です。誠意ある謝罪を行うことで、信頼関係を維持・強化することも可能になります。
本記事では、取引先への謝罪の基本マナーや注意点を解説したうえで、すぐに使える例文を多数紹介します。謝罪メール・手紙・電話といったシーン別に分けてまとめていますので、状況に応じて参考にしてください。
取引先への謝罪は、単なる形式的なものではなく「信頼を回復するための行動」です。
基本マナーは以下の通りです。
謝罪メールを書く際は、次の流れを意識するとスムーズです。
件名:納品遅延のお詫び
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。
株式会社△△の□□でございます。
このたびは、当社の納品が予定より遅れ、貴社の業務にご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
原因は、製造工程における確認不足にあり、今後はチェック体制を強化することで再発を防ぐ所存です。納品につきましては、本日中に発送を完了いたします。
改めまして、この度の不手際により多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
株式会社△△
□□
件名:誤った情報提供に関するお詫び
〇〇株式会社
〇〇部 〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の□□です。
昨日ご案内した数値に誤りがあることが判明いたしました。誤った情報をお伝えしてしまい、貴社のご判断に混乱を招いたことを深くお詫び申し上げます。
正しい数値は以下の通りです。
(正しい情報を記載)
今後は資料作成時のダブルチェック体制を徹底し、同様のミスが起こらぬよう努めます。
重ねてお詫び申し上げますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。
株式会社△△
□□
電話での謝罪は、相手の反応を直接受け止められる分、誠意が伝わりやすいという利点があります。
ポイントは以下の通りです。
「このたびは弊社の対応が不十分で、〇〇様に多大なご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ございません。原因は□□にあり、今後は△△を徹底することで再発防止に努めます。本日は直接お詫びを申し上げたくお電話いたしました。」
正式な文書で謝罪する場合は、よりフォーマルな言い回しを使います。
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
このたびは、弊社の不手際により、貴社に多大なるご迷惑をおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。
(具体的な経緯と原因)
今後はこのようなことのなきよう、再発防止に努めてまいりますので、何卒ご寛恕賜りますようお願い申し上げます。
敬具
株式会社△△
□□
謝罪は「信頼を失った証」ではなく、「信頼を取り戻すきっかけ」にもなり得ます。
真摯な姿勢を見せることで、むしろ関係が深まることも少なくありません。
これらを意識することで、単なるお詫びではなく、関係構築の一歩となります。
取引先への謝罪は、誰もが避けたいものですが、誠意を持った対応によって信頼を維持し、さらに強固にすることも可能です。
この3点を押さえつつ、シーンに応じた例文を活用してください。
取引先への謝罪は「マイナス」ではなく、「プラスに変えるチャンス」であることを意識することが大切です。