会社で努力が認められ、昇進の打診を受けることは大変名誉なことです。
しかし、人によっては家庭の事情や健康、ライフスタイルとの兼ね合いから、あえて昇進を望まない場合もあります。
ただし「せっかくの昇進を断る」という行為は、相手に誤解を与えやすく、伝え方を誤ると人間関係や評価に影響が出かねません。
本記事では、昇進を断るときに角が立たない伝え方のポイントと、実際に使える例文を紹介します。
上司への返答に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
昇進は誰にとってもプラスになると思われがちですが、実際にはそうではありません。
昇進に伴って責任や業務量が増え、ワークライフバランスが崩れることもあります。
また、家庭の事情や将来のキャリアプランとの不一致から、現状のままを望む人も少なくありません。
「昇進を断る」という選択肢は、自分の人生や健康を優先するために自然な判断であり、決して否定的なことではありません。
大切なのは「断る姿勢」ではなく「断り方」です。相手に失礼がないように伝えれば、理解を得られる可能性は十分にあります。
昇進を断る際に意識すべきポイントは以下の通りです。
一方で、以下のような伝え方は誤解や不信感を招きやすいため避けるべきです。
断る理由は正直でよいものの、伝え方次第で「協調性がない」と思われてしまう可能性があるため注意しましょう。
ここからは、具体的に使える例文を紹介します。状況に応じて調整してご活用ください。
「このたびは昇進のお話をいただき、誠にありがとうございます。
大変光栄なお話であり、評価していただけたことに心から感謝しております。
しかしながら、現在は家庭の事情により時間的な制約が多く、責任ある立場を十分に果たせる状況ではございません。
大変恐縮ですが、今回は辞退させていただければと存じます。今後もこれまで以上に、与えられた職務に全力で取り組んでまいります。」
「昇進のお話をいただき、ありがとうございます。
私自身も身に余る光栄と感じておりますが、持病の関係で体調面に不安を抱えております。
責任ある役職を担うにあたりご迷惑をおかけする可能性があるため、今回は辞退させていただきたいと考えております。
現状の職務においては、引き続き全力を尽くしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。」
「このたびは昇進のご提案をいただき、誠にありがとうございます。
大変光栄なお話ではございますが、今後のキャリアにおいて専門スキルを磨くことを優先したいと考えております。
そのため現時点で役職を担うことは難しく、今回は辞退させていただければ幸いです。
今の立場で成果を上げ、会社に貢献できるよう努めてまいります。」
「昇進のお声がけをいただき、大変ありがたく存じます。
ただ、現在は子育てや家庭との両立を重視しており、責任の大きな役職を担うには十分な時間を確保できない状況です。
大変申し訳ありませんが、今回は辞退させていただきたいと考えております。
今後も現在の業務に誠意をもって取り組み、会社に貢献してまいります。」
「このたびは昇進のご提案をいただき、誠にありがとうございます。
光栄なお話ではありますが、今はまだ自分の力を十分に発揮できる段階ではなく、役職を担うには時期尚早だと感じております。
誠に勝手ながら、今回は辞退させていただければと存じます。
今後はより一層努力し、会社の発展に貢献できるよう努めてまいります。」
昇進を断ったとしても、その後の働き方が大切です。
一度昇進を断ったとしても、将来の選択肢が閉ざされるわけではありません。丁寧な対応を心がけることで、会社との関係を良好に保つことができます。
昇進を断ることは決して珍しいことではなく、自分のライフスタイルやキャリアに沿った自然な選択です。
ただし、伝え方を誤ると誤解を招きかねません。
この3つを意識すれば、角を立てずに自分の意向を伝えることができます。
紹介した例文を参考に、自分の状況に合わせてアレンジし、誠実に対応してみてください。