建設業を営むうえで避けて通れないのが「建設業許可」の取得です。
無許可のまま工事を受注してしまうと、法律違反となり営業停止や罰金のリスクを背負うことになりかねません。
しかし、建設業許可の取得には細かい条件や書類の準備が必要で、申請から取得までに時間もかかるため、スケジュール管理が非常に重要です。
この記事では、これから建設業許可を取得しようとする方のために、「許可取得までの具体的な流れ」と「スムーズに進めるためのスケジュール管理のコツ」をわかりやすく解説します。
「失敗しない手順」を事前に知っておくことで、安心して許可申請を進められるようになります。
建設業許可とは、500万円以上の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以上、または延べ面積150㎡以上の木造住宅の新築工事)を請け負う場合に必要な国や都道府県からの許可です。
許可には「一般建設業」と「特定建設業」があり、発注者から直接元請として仕事を受け、下請けに出す場合は「特定建設業許可」が必要です。
また、建設業許可には29業種があり、例えば「土木工事業」「電気工事業」「建築工事業」など、それぞれに許可が必要です。
建設業許可の申請から取得までは、以下のような流れで進みます。
各ステップには注意点があり、順序を間違えたり書類に不備があると許可が下りるまでに余計な時間がかかってしまいます。
許可を取るためには、下記の4つの要件を満たす必要があります。
この4つを満たしていないと、申請自体が受け付けられないため、事前にチェックしておきましょう。
建設業許可申請には、多くの書類が必要です。以下は主な例です。
特に、経歴書や財務諸表などは作成に時間がかかる場合があるため、税理士や行政書士に依頼することも検討すると良いでしょう。
申請先は事業所の所在地を管轄する都道府県の建設業課(または地方整備局)です。
申請前に窓口で相談をしておくと、書類の不備や申請漏れを防ぐことができます。
窓口の相談は無料で、事前予約が必要な場合もあるため、余裕を持って連絡を入れましょう。
申請書が整ったら、管轄窓口へ提出します。郵送やオンライン申請ができる自治体もありますが、原則は窓口提出です。
その後、審査に入ります。審査期間は通常「30日~45日程度」ですが、書類に不備があればもっと長引く可能性があります。
審査が完了すると、許可通知書が届きます。これでようやく建設業としての営業が法的に認められます。
許可番号や有効期限が記載された「許可証票」も受け取れるため、事務所などに掲示しましょう。
建設業許可は5年ごとの更新が必要です。
また、決算変更届や事業年度終了報告など、年1回の書類提出も義務づけられています。
怠ると、行政指導や最悪の場合「許可取り消し」にもつながりますので注意が必要です。
建設業許可の取得には時間がかかるため、スケジュール管理が成功のカギを握ります。以下のポイントを意識するとスムーズに進められます。
許可が必要な工事の開始日から逆算して、最低でも2~3ヶ月前には申請を始めましょう。
例えば「登記簿謄本」は即日取得できますが、「納税証明書」や「経歴書」は準備に数日~1週間かかる場合があります。
行政書士などの専門家に依頼すれば、要件確認から書類作成、提出代行まで任せることができます。時間の節約になります。
役所や顧問税理士、行政書士とスムーズに連携できるよう、チャットやメールでのやり取りの仕組みを整えておきましょう。
週に1回など定期的に進捗を確認し、遅れがあれば早めに対応しましょう。
建設業許可の申請は、要件さえ満たしていれば誰でも取得可能な制度です。
しかし、書類の準備やスケジュール管理を誤ると、大幅な遅延や手戻りが発生してしまいます。
この記事で紹介した「手順とスケジュール管理のコツ」を参考にしながら、余裕を持って準備を進めましょう。
不安な方は行政書士などのプロに相談するのも有効です。確実に許可を取得し、堂々と建設業の事業をスタートさせましょう!