仕事をしていると、毎月の給与明細に「健康保険料」という項目があり、思ったより金額が大きいと感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、健康保険料がどのように計算されているのかを正確に理解している人は意外と少ないものです。
健康保険料は、単純に「給料×〇%」で決まるわけではありません。
標準報酬月額という仕組みや、会社と本人の負担割合、賞与への計算方法など、いくつかのルールがあります。
この記事では、健康保険料の計算方法について、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
給与からいくら引かれるのか、なぜその金額になるのか、具体例を交えながら理解できる内容にしています。
これを読めば、給与明細を見る目が変わります。
健康保険料とは、病気やけがをしたときに医療費の自己負担を軽くするための公的な保険制度に支払うお金です。
会社員や公務員は、勤務先を通じて健康保険に加入しています。
自営業者は国民健康保険に加入しますが、この記事では主に会社員の健康保険について解説します。
健康保険に加入していることで、医療費の自己負担は原則3割になります。
また、出産手当金や傷病手当金などの給付も受けられます。
つまり、健康保険料は「もしもの時の安心」を支える大切な費用なのです。
健康保険料は、次の計算式で求められます。
標準報酬月額 × 保険料率
ここで重要なのが「標準報酬月額」という考え方です。
実際の給料そのものではなく、一定の幅で区分された金額を使います。
例えば、月給が28万円の場合、標準報酬月額は28万円ぴったりではなく、決められた等級に当てはめて計算します。
さらに、健康保険料は会社と本人で折半します。
つまり、計算された金額の半分が給与から天引きされます。
標準報酬月額とは、毎月の給料を一定の幅で区分した金額のことです。
例えば、
・27万円以上29万円未満
・29万円以上31万円未満
のように区分されています。
実際の給与が28万5千円でも、標準報酬月額は28万円の等級になることがあります。
この標準報酬月額は、毎年4月から6月の給与平均をもとに決定され、9月から翌年8月まで適用されます。
これを「定時決定」と呼びます。
給与が大きく変わった場合は、随時改定が行われることもあります。
健康保険料率は、加入している保険によって異なります。
多くの会社員は、協会けんぽに加入しています。
正式名称は「全国健康保険協会」です。
保険料率は都道府県ごとに違います。
例えば、東京と大阪では料率が異なります。
また、大企業の場合は健康保険組合に加入しているケースもあります。
この場合は、組合ごとに保険料率が設定されています。
全国健康保険協会は、中小企業の従業員が主に加入している公的医療保険です。
通称「協会けんぽ」と呼ばれています。
各都道府県に支部があり、保険料率も都道府県単位で設定されています。
そのため、同じ給与でも住んでいる地域によって健康保険料が変わります。
例として、
標準報酬月額:30万円
保険料率:10%
と仮定します。
30万円 × 10% = 3万円
これが月の健康保険料総額です。
しかし、会社と折半なので、
本人負担は 1万5千円 になります。
この金額が給与から天引きされます。
健康保険料は、賞与にもかかります。
賞与の場合は「標準賞与額」という考え方を使います。
1,000円未満は切り捨てになります。
例えば、
賞与:50万円
保険料率:10%
50万円 × 10% = 5万円
会社と折半なので、本人負担は2万5千円です。
賞与は金額が大きいため、天引き額も大きくなります。
40歳以上65歳未満の人は、介護保険料も一緒に徴収されます。
介護保険料も、標準報酬月額 × 介護保険料率で計算されます。
これも会社と折半です。
そのため、40歳を境に手取りが少し減ることがあります。
健康保険料が変わる主なタイミングは次の通りです。
・昇給や降給があったとき
・毎年の定時決定
・保険料率の変更
・40歳になったとき
特に定時決定の時期は、給与明細を確認することが大切です。
会社員が加入する健康保険と、自営業者が加入する国民健康保険は仕組みが異なります。
国民健康保険は、前年の所得を基準に計算されます。
また、会社の折半がないため、全額自己負担になります。
そのため、収入が増えると保険料も大きく増えます。
健康保険料は、
標準報酬月額 × 保険料率
で計算されます。
そして、会社と本人で折半されます。
賞与にも保険料がかかります。
40歳以上は介護保険料も加わります。
一見複雑に見えますが、仕組みを理解すれば難しくありません。
給与明細を見る際は、標準報酬月額と保険料率に注目してみてください。
自分の収入と社会保険の関係が、より明確になります。