経理業務や簿記の勉強を始めたばかりの方にとって、「合計試算表」という言葉は少し難しく感じるかもしれません。
でも実は、合計試算表は日々の仕訳帳や総勘定元帳の集計結果を確認し、帳簿が正しく記録されているかをチェックするための大切な資料なのです。
このブログ記事では、合計試算表の基本的な意味から作り方、記載する内容、作成時のポイントまでわかりやすく解説します。
経理初心者でも安心して理解できるよう丁寧にご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
合計試算表とは、総勘定元帳のすべての勘定科目について、借方と貸方の「合計額」を一覧にまとめた表です。
この表を作成することで、帳簿が正しく記録されているか、借方と貸方の合計が一致しているかを確認できます。
たとえば、現金勘定における借方合計が100,000円、貸方合計が50,000円だった場合、合計試算表にはその数字がそれぞれ記載されます。
このように、各勘定科目ごとの取引の合計を一覧にすることで、全体の帳簿の整合性が見えてきます。
似たような言葉で「残高試算表」というものがあります。
両者の違いを理解することは、正しい会計処理の第一歩です。
合計試算表は、あくまで取引の「流れ」を集計するもので、残高試算表はその結果として残った金額を表します。
試算表を作成する目的によって、どちらを使うべきかが変わってくるのです。
合計試算表を作成するためには、以下の帳簿が必要です。
事前にこれらの帳簿をしっかり整備しておくことで、合計試算表の作成はスムーズに進みます。
合計試算表は、以下のような表形式で作成されます。
勘定科目 | 借方合計 | 貸方合計 |
---|---|---|
現金 | 300,000 | 200,000 |
売掛金 | 150,000 | 50,000 |
仕入 | 250,000 | 0 |
売上 | 0 | 400,000 |
合計 | 700,000 | 700,000 |
このように、各勘定科目の取引金額を「借方合計」「貸方合計」に分けて記載します。
最後に両側の合計が一致すれば、帳簿の記録が正確であることの確認になります。
合計試算表を実際に作成するためのステップを以下に紹介します。
まずは、取引がすべて記録された総勘定元帳を用意します。すべての科目の取引内容を確認しましょう。
各勘定科目について、期間内の借方合計と貸方合計を電卓やExcelなどで集計します。
集計結果を合計試算表に転記していきます。借方・貸方のそれぞれの合計欄に記入してください。
表の一番下に、借方合計と貸方合計の総計を記載します。両者の金額が一致していれば、帳簿の整合性は保たれています。
Excelを使えば、関数で合計を自動化しながら合計試算表を作成できます。
以下は簡単なExcel用のセル構成の例です。
A列(勘定科目) | B列(借方) | C列(貸方) |
---|---|---|
現金 | =SUM(D2:D10) | =SUM(E2:E10) |
勘定科目ごとの集計はSUM関数を使うと効率的です。さらに、VLOOKUP関数やピボットテーブルを使えば、元帳データから自動で試算表を作ることも可能になります。
合計試算表の作成時には、次のようなミスに注意が必要です。
これらのミスは、帳簿全体の信頼性を損なう原因となるため、丁寧にチェックしながら作成することが大切です。
合計試算表は、日々の取引を集計・整理し、帳簿の整合性を確認する大切な資料です。
毎月作成することで、経営状態の変化にも早く気づけるようになります。
Excelなどのツールを活用して、正確かつ効率的に作成する仕組みを整えておけば、経理作業の負担を大きく軽減できます。
ぜひ今回の記事を参考に、実務でも積極的に合計試算表を活用してみてください。