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帳簿の記入は、企業活動を記録・管理するうえで欠かせない基本業務のひとつです。経理初心者やこれから簿記を学びたい方にとって、「仕訳帳」「総勘定元帳」「補助簿」など、帳簿の種類が多くて混乱してしまうこともあるでしょう。
この記事では、帳簿の基本的な役割と種類、具体的な記入方法について、わかりやすく解説します。小規模事業主やフリーランス、簿記の勉強を始めた方にも役立つ内容です。
帳簿とは、企業や事業者が日々の取引を記録するための書類です。会計の基本である「いつ・誰と・何を・いくらで取引したか」を、正確に記録するために使います。
帳簿記録の目的は大きく以下の2つです。
帳簿は、正確かつ体系的に記録するために、いくつかの種類に分けられています。それぞれの帳簿には異なる役割があるため、正しい使い方を理解することが大切です。
仕訳帳（しわけちょう）は、すべての取引を時系列順に記録する帳簿です。いわば帳簿の出発点であり、「取引内容をどの勘定科目で処理するか（仕訳）」をまずここに書きます。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|---|
| 5月1日 | 商品を現金で購入 | 仕入 100,000円 | 現金 100,000円 |
このように、仕訳帳には「いつ、何があったか」「どの勘定科目にどの金額を振り分けたか」が記録されます。
総勘定元帳（そうかんじょうもとちょう）は、仕訳帳の内容を勘定科目ごとにまとめた帳簿です。たとえば「現金」「売掛金」「仕入」「売上」など、それぞれの科目にどのような取引があったかを集約します。
| 日付 | 摘要 | 借方 | 貸方 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 5月1日 | 資本金投入 | 1,000,000 | – | 1,000,000 |
| 5月2日 | 商品購入 | – | 100,000 | 900,000 |
このように、「現金」の勘定だけを抜き出して記録していきます。これにより、各勘定ごとの増減が明確になります。
補助簿は、仕訳帳や総勘定元帳を補うための帳簿です。主に「取引先別」「商品別」などの明細を管理するために使われます。
補助簿は多くの種類がありますが、代表的なものは以下の通りです。
現金の出入りを日付順に記録します。頻繁に現金を扱う事業者には必須の帳簿です。
顧客ごとの売上債権（売掛）や仕入債務（買掛）を記録します。取引先の管理に便利です。
交通費・通信費など、経費の項目ごとに記録する帳簿です。経費精算や税務申告に役立ちます。
実際の帳簿記入の流れを簡単にまとめると、以下のようになります。
このように「仕訳→転記→集計→確認」というステップで帳簿を整理します。日々の業務でこの流れを意識することが、正確な会計処理につながります。
帳簿記入にはミスがつきものですが、以下のポイントに気をつければミスを防げます。
帳簿は、税務署からの調査に備えて一定期間保存する義務があります。青色申告者であれば、原則として「7年間」の保存が必要です（白色申告者は5年）。
紙でも電子でも保存可能ですが、電子保存の場合は条件が定められているため、事前確認が必要です。
帳簿は、企業運営や個人事業を行ううえで欠かせない記録ツールです。
これらを正しく理解することで、帳簿記入への苦手意識を克服できるはずです。最初は難しく感じるかもしれませんが、繰り返し記入することで自然と慣れてきます。ぜひ今回の内容を参考に、帳簿の基本を身につけてください。