教育実習のお礼状の書き方と例文5選~心からの感謝を伝えるポイント~

教育実習期間を終えた後、多くの先生方やスタッフの方々から手厚いサポートを受けたはずです。実習を通して学んだことを今後の教育現場で活かしていくためにも、まずは自分が「どれだけ感謝しているか」を伝えることが大切。そこで今回は、教育実習後に送るお礼状の書き方や具体的な文例を5つご紹介します。社会人としてのマナー、そして教育者としての心構えを身に付ける意味でも、お礼状はしっかりとした形式でまとめたいもの。本記事を参考にして、あなたの感謝の気持ちがしっかり伝わるお礼状を作成してみてください。

1. 教育実習のお礼状を書く意義

教育実習が終わったあとにお礼状を書くのは、単なる形式的なあいさつにとどまりません。以下のような意義があるからこそ、多くの教育実習生が送付を推奨されています。

  1. 感謝の気持ちを伝える
    実習先の学校では、指導教員だけでなく、他の先生方や職員の方々が陰ながら協力してくれています。そのすべてのサポートに対して、実習生として「ありがとうございました」という気持ちを伝えるのは、大事な社会人としてのマナーでもあります。
  2. 次のステップへのつながり
    お礼状を書くことで「また学ばせていただきたい」「将来はこういう先生になりたい」という思いを具体的に伝えられます。教育実習は将来の就職先となり得る可能性もある場ですし、ネットワークを広げる貴重な機会です。誠実なお礼状は、今後も関係を続けやすくする一助となるでしょう。
  3. 教育者としての立場を考える学び
    教員を目指す立場として、コミュニケーション力は欠かせません。感謝の言葉を伝えるという基本が、教育者になるための第一歩ともいえます。お礼状を丁寧に仕上げることで、教育者としての気持ちの引き締めにもなるはずです。

2. お礼状の基本構成

お礼状にはいくつか押さえておきたい基本的な構成があります。相手に読んでもらいやすい文章にするためにも、以下の流れを意識すると良いでしょう。

  1. 宛名
    宛名は個人宛ての場合は「○○先生」、学校全体の先生方に宛てる場合は「○○小学校 ○○先生方」という書き方など、相手に応じて変えます。封筒にも正確な宛名を書きましょう。
  2. 書き出しの挨拶
    時候の挨拶や、お世話になったことへのお礼を簡潔に書き出します。「拝啓」「○○の候」「ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などの定型表現を用いても構いませんが、簡潔で読みやすい表現にする方が好印象です。
  3. 本文(具体的なお礼・学んだこと)
    具体的に「どんな場面で助けてもらったのか」「指導していただいた内容がどう役立ったか」など、自分が感じたこと・学んだことを記します。特に教育実習では「どのような授業づくりを学べたか」「生徒との関わり方で印象的だった点」などを具体的に述べると効果的です。
  4. 結びの挨拶
    「今後も指導を仰ぎたい」「卒業後は○○を目指して頑張る」など、今後の抱負や再会を願う気持ちを添えると、読み手に対してポジティブな印象を与えられます。「末筆ながら」「敬具」といった結びの言葉で締めましょう。
  5. 日付・署名
    最後に日付を入れ、自分の名前(フルネーム)を記載します。住所や連絡先を入れる場合もありますが、学校宛てならば学校側があなたの情報を把握している可能性が高いので、必須ではありません。ですが、将来的な連絡を考えるなら、連絡先を入れておくのも一案です。

3. お礼状を書くときのマナーとポイント

丁寧なお礼状を書くために、いくつか気をつけるべきポイントがあります。マナーを押さえることで、誠実さや感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。

  1. 手書きが基本
    現在はパソコンやスマートフォンなどで簡単に文書を作成できますが、教育実習のお礼状は手書きが好まれます。手書きは相手に対して丁寧さや温かみを伝えられる手段です。ただし、字に自信がない場合や、教員側から「メールでも構わない」という指示がある場合は、PCで作成しても失礼にはなりません。
  2. 早めに出す
    教育実習が終わってからできるだけ間を空けずに出しましょう。最適なタイミングは実習終了後1週間以内です。それ以上遅れる場合は、かえって相手に失礼になってしまうこともあるので注意が必要です。
  3. 相手への配慮
    先生方やスタッフの方々は、日々多忙な業務をこなしています。読んでもらいやすいように、簡潔な文章を心がけましょう。長文になりすぎると読む手間を取らせてしまうため、要点をしっかりまとめることが大切です。
  4. 形式ばかりにこだわりすぎない
    定型文にあまりに縛られすぎると、無機質な印象を与えてしまうことがあります。ポイントを押さえつつ、自分の言葉で感謝の気持ちを表現することがより大切です。

4. 実際に使えるお礼状文例5選

ここでは、さまざまな状況に合わせた5つの例文を紹介します。自分の体験に合わせてアレンジし、心からの気持ちを伝えられるようにしましょう。


例文1:基本的な感謝をシンプルに伝える場合

拝啓
秋涼の候、先生方にはますますご活躍のこととお慶び申し上げます。
このたびは教育実習の際に多大なるご指導を賜り、誠にありがとうございました。先生方の丁寧なアドバイスや温かい励ましのおかげで、生徒との関わり方や授業づくりの基礎を学ぶことができました。
今後は先生方からいただいた貴重な学びを活かし、より良い教育者を目指して努力を続けてまいります。まずは略儀ながら書中をもちましてお礼申し上げます。
末筆ながら、先生方のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
敬具

令和○年○月○日
○○大学 ○○学部 ○年 ○○ ○○


例文2:指導教員に向けて具体的なエピソードを入れる場合

拝啓
日増しに秋の深まりを感じる今日この頃、○○先生におかれましてはますますご清栄のことと拝察いたします。
このたびの教育実習では、授業の進め方だけでなく、休み時間や放課後の生徒との接し方など、大切なことを数多く教えていただき、心より感謝申し上げます。特に、授業中に生徒の意欲を引き出すための質問の仕方は、私にとって大きな学びとなりました。
実習が終わった今も、先生のご指導を思い出しながら「生徒が自ら考えて行動できる授業づくり」を目指して準備を進めています。いずれ教育の現場で再びお会いできる日を楽しみにしつつ、これからも精進してまいります。
末筆ながら、先生のご健康と今後のご活躍をお祈り申し上げます。
敬具

令和○年○月○日
○○大学 ○○学部 ○年 ○○ ○○


例文3:職員室全体への感謝をまとめる場合

拝啓
深秋の候、○○小学校の先生方におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
このたびは教育実習生として温かく迎えていただき、誠にありがとうございました。授業準備や行事の運営、職員室での業務など、さまざまな場面で先生方の知恵や工夫に触れ、多くの学びを得ることができました。
実習終了後も、生徒の安全や健康に配慮しつつ質の高い教育を提供する姿勢を常に忘れず、私自身も将来の教員生活に活かしていきたいと考えております。まずは略儀ながら、書中にてお礼のご挨拶を申し上げます。
先生方の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
敬具

令和○年○月○日
○○大学 ○○学部 ○年 ○○ ○○


例文4:短期実習でも濃い学びがあった場合

拝啓
晩秋の候、先生方にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
わずか一週間の短い実習期間ではございましたが、先生方の手厚いご指導のおかげで、授業の組み立て方や生徒との信頼関係の築き方など、多岐にわたる学びを得ることができました。実習期間中は常に見守っていただき、また気軽に声を掛けていただいたことがとても心強かったです。
短い時間とはいえ、私にとっては非常に濃密な経験となりました。今後もこの経験を糧に、さらなる指導力・実践力の向上に努めてまいります。本来であれば直接ご挨拶に伺いたいところですが、まずは書中にてお礼を申し上げます。
敬具

令和○年○月○日
○○大学 ○○学部 ○年 ○○ ○○


例文5:特にお世話になった事務員や用務員へのお礼

拝啓
向寒の折、○○学校の職員の皆様におかれましては、ますますご健勝のことと拝察いたします。
教育実習の間、事務手続きや備品の管理など、さまざまな場面でお世話になりましたこと、心より感謝申し上げます。特に、急な印刷物が必要になった際にも柔軟に対応してくださり、本当に助かりました。慣れない環境のなかで、皆様のサポートがあったからこそ安心して実習に取り組むことができました。
今後も皆様に教えていただいた経験を活かし、周囲への配慮やチームワークの大切さを忘れずに成長していきます。まずは略儀ながら、書面にてお礼申し上げます。
敬具

令和○年○月○日
○○大学 ○○学部 ○年 ○○ ○○


5. お礼状を送った後の心構え

お礼状を送ったあとの振る舞いも、教育実習生としての評価に関わってきます。礼状を送って終わりではなく、そのあとの行動にも気を配りましょう。

  1. 就職活動で改めて連絡を取る可能性がある
    将来、教員採用試験や非常勤講師などの機会で同じ学校に関わることがあるかもしれません。お礼状を送っておくと、次に連絡を取りやすくなります。
  2. 学んだことを活かす
    実習の内容を振り返って、自分が得た学びをどう活かすかを常に考えておきましょう。経験を言語化してまとめることで、将来の面接や自己PRにも役立ちます。
  3. SNSなどへの投稿に注意
    学校内や生徒の様子をSNSにアップするなど、個人情報や教育現場のプライバシーを侵害する行為は厳禁です。お礼状で築いた良好な関係を壊すことのないよう、配慮した行動を心がけましょう。

6. まとめ

教育実習のお礼状は、あなたの感謝の気持ちを伝えるだけでなく、教育者としての姿勢を示す大切な機会でもあります。手書きで作成し、できるだけ早めに送るなどの基本マナーを守りつつ、相手の多忙さを考慮して読みやすい文章を意識しましょう。また、事務員や用務員の方など、裏方で支えてくださった方々にも感謝を伝えることを忘れずに。自分の体験や学んだことを具体的に盛り込みながら書けば、相手にも気持ちがしっかりと伝わります。

教育現場は多くの人の協力で成り立っています。実習中にお世話になったすべての方々に心から感謝し、その感謝を正しく形にして伝えることは、将来の教壇に立つあなた自身の成長にもつながるはずです。ぜひ、この記事のポイントや例文を参考に、誠意あるお礼状を作成してみてください。

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