施設の部屋の配置図を作る際には、正確な測量が欠かせません。
手描きの図面やCAD図面を作る前段階として、現場でどのように寸法を取り、情報を整理していくかが、図面の精度を左右します。
本記事では、特別な資格や高価な機器がなくても実践できる「部屋の配置図作成に必要な測量方法」をわかりやすく解説します。
施設管理者やリフォームを検討中の方、また建築初心者の方にもおすすめの内容です。
施設内の部屋の配置図を作成するためには、正確な「現状の把握」が必要です。
測量は、この現状把握の第一歩です。壁の長さ、天井の高さ、ドアや窓の位置、柱の寸法など、全てが配置図の基礎データになります。
たとえば、以下のような目的が考えられます。
精度が低いと、施工時のミスや予算超過の原因になるため、正確な測量が非常に重要です。
特別な機器がなくても、以下のような道具で十分対応可能です。
レーザー距離計は最近では比較的安価に手に入ります。手軽さと正確性を兼ね備えているので、可能なら導入すると作業効率が上がります。
測量に入る前に、以下の事前準備をしておくとスムーズです。
測定作業は、ざっくりとした手描きの間取りスケッチから始まります。
以下の点を意識して描きます。
手描きのスケッチは後からCAD化する際の大きな助けになります。
続いて、各壁面の長さを測定していきます。
以下の順序で行うとスムーズです。
各寸法は、スケッチ図の対応箇所に直接メモしておくのがポイントです。
ドアや窓の位置は、壁の端からの距離と寸法(幅と高さ)を測ります。
例:
左側壁面から1.2mの位置に幅80cmのドア
柱も同様に、壁との距離、柱の奥行きと幅を記録します。これによりCAD図面などでの再現性が高まります。
測量中に、下記のような補足情報を写真やメモに残すと便利です。
こうした情報は、配置図だけでなく、施工計画や管理台帳にも役立ちます。
測量が完了したら、スケッチを清書したり、デジタル化しておくことで使い勝手が大きく向上します。
測量でよくあるミスには、以下のようなものがあります。
作業前にチェックリストを作っておくと、ミスの防止につながります。
部屋の配置図を描くには、測量が欠かせません。
壁の長さ、ドアや窓の位置、天井高など、正確な寸法を測ることで、より正確な図面が完成します。
特別な道具がなくても、手描きのスケッチと基本的な測定道具さえあれば実践できます。
まずは1部屋から、慣れてきたらフロア全体へと広げていくとよいでしょう。
本記事を参考に、あなたの施設でも配置図作成に挑戦してみてください。