面接、プレゼン、ブログ、SNS――「短いのに伝わる」エピソードには共通する型があります。 それが「事実→感想→行動→結果→結果の感想」という5つの流れです。 この型を使うと、単なる出来事が“学びのあるストーリー”へと一気に格上げされ、読み手・聞き手の記憶に残ります。 本記事では、この型を分解し、実務・面接・日常の例までたっぷり使い方を解説します。 テンプレート、チェックリスト、練習ドリルも載せていますので、読み終えた瞬間から使いこなせます。
多くの人のエピソードが伝わらない理由は、2つです。
「事実→感想→行動→結果→結果の感想」は、
という、ビジネスにも文章にも強い“論理×感情のハイブリッド構造”になっています。
誰が/いつ/どこで/何をした(起きた)か。主観を入れない客観情報。
コツ:数字、固有名詞、期間を入れると一気に“事実味”が高まります。
事実を受けて、あなたはどう感じたか。
コツ:盛りすぎない率直さ。弱さや戸惑いがあるほど人は共感します。
その感情を受けて、具体的に何をしたのか。
コツ:誰でも再現できるくらいに“手順化”して書く。
行動の成果を、数字や変化で示す。
コツ:比較対象(Before/After)と期間を必ず入れる。
結果を受けて、何を学び、今後どう活かすのか。
コツ:学びを普遍化し、「次にどう活かすのか」まで言い切る。
事実:4月、営業の新規開拓チーム5名のリーダーに就任しました。前年同月比でアポイント数が60%まで落ち込んでいました。
感想:このままではチームの士気がさらに下がると危機感を覚えました。
行動:まず、アポイント数を「架電数→接続率→商談化率→受注率」のKPIに分解。各メンバーのボトルネックを数値で特定し、週次1on1で改善仮説を立てました。スクリプトもABテストし、導入初週から全員に共有しました。
結果:3か月でアポイント数は150%、受注率は1.4倍に改善。前年同月比でも120%に回復しました。
結果の感想:漠然とした不振は「分解→仮説→検証」の手順に落とし込むと、誰でも改善可能になると実感しました。以後は他チームにも同じシートを展開し、部署全体の標準化を進めています。
実はこの型は、行動面接で有名な**STAR法(Situation / Task / Action / Result)とも非常に相性が良いです。STARの最後にReflection(振り返り)**を足した形が、ここでの「結果の感想」に当たります。
事実(Situation/Task):大学の学園祭実行委員として、来場者数が前年比30%減だったイベントの改善を任されました。
感想:このままだとスポンサーにも顔向けできない、と強い焦りを感じました。
行動(Action):ターゲットを「近隣の親子連れ」と再定義し、SNS広告と地域紙の折込を実施。体験型企画を3つ追加し、安全対策を可視化しました。
結果(Result):来場者は前年比160%、スポンサーの継続率も100%を維持しました。
結果の感想(Reflection):数字が悪いときこそ、感覚ではなくペルソナ再設計とチャネル再構築が有効だと学びました。今後も「誰に届けるのか」を常に問い直す姿勢を大切にします。
短文(X / Threadsなど)
事実:会社の公式ブログPVが1,000で停滞
感想:このままじゃ採用広報の意味がないと焦った
行動:検索意図を洗い直して20本をリライト
結果:3か月で12,000PV、資料DL5倍
結果の感想:成果は“意図ずれゼロ”の企画からしか生まれない
**長文(ブログ)**では、各フェーズを見出し化し、数字と手順を具体的に書くと、検索流入でも評価されやすくなります。
この3つが曖昧だと、型に当てはめても中身のない文章になります。
【事実】
(時期・背景・規模・数値を入れて、客観的に)
【感想】
(率直な気持ち。弱さ・不安・危機感もOK)
【行動】
(誰でも再現できるように、手順・ツール・工夫を具体的に)
【結果】
(Before/Afterの数値、期間、第三者評価)
【結果の感想】
(学びを普遍化し、今後の活用・展開まで言い切る)
失敗1:事実がふわっとしている
失敗2:感想が「嬉しかった」「大変だった」だけ
失敗3:行動がスローガン的(頑張った、工夫した)
失敗4:結果が主観(手応えがあった)
失敗5:最後の学びが薄い
エピソードは「順番」を整えるだけで、説得力も共感も一気に高まります。 「事実→感想→行動→結果→結果の感想」は、あなたの経験を読み手の“学び”に変換するための最短距離です。 まずは1本、テンプレートに沿って書いてみてください。 そして、チェックリストで磨き、練習ドリルで反復し、あなたの“いつもの型”に育てていきましょう。
おまけ(コピペ用140字テンプレ)
事実:◯◯だった → 感想:△△と感じた → 行動:□□した → 結果:◇◇になった → 感想:今後は☆☆に活かす。
この5行を、今日の出来事でまず1回。明日にはあなたの文章が変わります。