英語を正しく話すためには、単語の意味や文法だけでなく「発音」も重要です。
しかし、日本の英語教育では「読み書き」に重点が置かれ、発音記号の理解が十分でないことが多くあります。
発音記号は、辞書で単語を調べたときに必ず出てくる「音の地図」。これを覚えることで、知らない単語でも正しく発音できるようになります。
本記事では、英語発音記号の一覧を母音・子音に分けて解説し、さらに効率的な覚え方や発音練習のコツも紹介します。
「英語がカタカナ発音から抜け出せない」という方も、この記事を読み終えた頃には、正しい発音への大きな一歩を踏み出せるはずです。
発音記号とは?
発音記号(Phonetic symbols)は、国際音声記号(IPA:International Phonetic Alphabet)をもとにした、単語の正しい発音を表す記号です。
例えば、「cat」という単語を辞書で引くと、/kæt/ というように記号が表示されます。
これを読むことで、その単語を正しく発音するための「音の設計図」を確認できます。
発音記号は、日本語の五十音のように一音ごとに対応していますが、英語は母音・子音ともに日本語より音の種類が多いため、慣れるまでは少し時間がかかります。
しかし、一度覚えてしまえば、知らない単語でも正しい発音が可能になります。
母音の発音記号一覧と解説
英語の母音は、大きく「短母音」「長母音」「二重母音」に分けられます。
短母音(Short vowels)
- /ɪ/ sit, hit, fish の「イ」に近い音(短く軽く)
- /e/ pen, bed, get の「エ」に近い音
- /æ/ cat, hat, apple の「あ」と「エ」の中間音
- /ʌ/ cup, luck, bus の「ア」に近い音(口をあまり開けない)
- /ɒ/ hot, not, dog の「オ」に近い音(英・豪で使用)
- /ʊ/ book, put, look の「ウ」に近い音(短く軽く)
- /ə/ about, teacher, banana の弱い「ア」(シュワ音)
長母音(Long vowels)
- /iː/ see, beat, meet の「イー」
- /ɑː/ car, start, father の「アー」
- /ɔː/ law, talk, saw の「オー」
- /uː/ food, blue, moon の「ウー」
- /ɜː/ bird, learn, nurse の「アー」と「エー」の中間(英語特有)
二重母音(Diphthongs)
- /eɪ/ day, say, eight の「エイ」
- /aɪ/ my, buy, fly の「アイ」
- /ɔɪ/ boy, toy, enjoy の「オイ」
- /aʊ/ now, how, cow の「アウ」
- /əʊ/ go, show, no の「オウ」
- /ɪə/ here, idea(イア)
- /eə/ hair, care(エア)
- /ʊə/ tour, sure(ウア)
子音の発音記号一覧と解説
英語の子音は、日本語と似ているものもあれば、まったく異なる発音方法のものもあります。
無声音(声帯を震わせない)
- /p/ pen, map
- /t/ top, sit
- /k/ cat, back
- /f/ fish, leaf
- /θ/ think, both(舌を軽く歯に挟む)
- /s/ see, bus
- /ʃ/ she, fish(日本語の「シ」に近い)
- /tʃ/ check, church(チ音)
有声音(声帯を震わせる)
- /b/ book, cab
- /d/ dog, red
- /g/ go, big
- /v/ voice, love
- /ð/ this, mother(舌を軽く歯に挟む)
- /z/ zoo, buzz
- /ʒ/ vision, measure(「ジュ」に近い)
- /dʒ/ job, bridge(「ジ」音)
その他の子音
- /h/ hat, home
- /m/ man, time
- /n/ no, pen
- /ŋ/ sing, long(鼻に抜ける音)
- /l/ leg, tell(舌を歯茎に当てる)
- /r/ red, try(舌を丸める)
- /j/ yes, yellow
- /w/ we, window
発音記号の覚え方のコツ
- 似ている音をペアで覚える
例:/iː/(長いイー)と /ɪ/(短いイ)をセットで練習 - 実際の単語と一緒に覚える
記号だけを覚えるより、例単語とペアにすると記憶に残りやすい - カタカナに頼らない
カタカナは便利ですが、英語の音を正確に表せないことが多い - 耳と口を同時に鍛える
ネイティブ音声を真似して発音し、声に出して確認する - 辞書アプリを活用する
発音記号と音声がセットになっているオンライン辞書を使う
発音練習におすすめの方法
- シャドーイング:音声を聞きながら0.5秒遅れで発音を重ねる
- オーバーラッピング:音声と同時に声を出す
- 録音して比較:自分の発音とネイティブ音声を聞き比べる
- 英語の歌を歌う:発音とリズム感を同時に鍛えられる
まとめ
英語の発音記号は、最初は複雑に見えますが、仕組みを理解して練習すれば必ずマスターできます。
母音と子音の発音記号を一覧で覚え、実際の単語と結びつけながら練習することがポイントです。
特に、日本語にない音(/θ/、/ð/、/æ/など)を重点的に練習することで、カタカナ英語から大きく脱却できます。
「発音記号が読める」=「英語を正しく発音できる」への第一歩です。
今日から、辞書の発音記号を意識して英語学習を進めてみましょう。